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BB/PP

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作家
松浦寿輝
出版社
講談社
発売日
2016-06-21
ISBN
9784062200318
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BB/PP / 感想・レビュー

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ちょき

数々の文学賞を獲得してきた松浦さんの短編集。表題作は群像にグリム童話のアンソロジーとして上撰されたBB/PP。残念ながらどのあたりがグリムなのかは判らなかったが、この作者、本当のツボは解ってる。その他、かなり純文学的に芸術色を帯びた作品が目白押しており、詩的な表現や日本語の妙をもった短編に心洗われる。あえて作品の共通項を探ろうとするならば「自由であること」ではなかろうか、どちらともいえる、どちらでもいい、どこにでもいける、そんな氏の作品に包まれて深い余韻に浸ってしまう秋の夕暮れ。ってもう朝か?

2016/10/27

くみこ

9篇の短編集。主人公が全員ほぼ50代の男性であること、"記憶"についてのストーリーであることが共通しています。表題作は、理想の女性をA I搭載の人形に求めたかなりのエログロテイスト。主人公も内容も描写も気色悪いとは思ったけど、分かりやすいストーリーでした。他は、経済力と知性のある、理屈っぽい男性の妄想・妄念に付き合わされた感じです。「不可能」に次いで2冊目の松浦さんでしたが、この作品は、私には分かりにくいものでした。

2019/05/19

yamahiko

自分自身の消化不良のせいかもしれませんが、今までの著者の作品に比べてやや物足りない思いを抱きました。

2016/08/12

しゅん

松浦さんの随筆や批評、詩は好きなのだが、この小説集はいまいちピンとこない。晩年のセロニアス・モンクに会った(らしい)男の語りにしろ、世界のパターンを探ろうとして絶望する数学者の描写にしろ、紋切り型を避けようとする振る舞いがかえって紋切り型を呼び起こているように思えるし、現実と幻想との境の曖昧さを強調する終わり方にも「今更そんなことを言われても…」という気持ちを覚える。典型的な物語類型をあえて取り入れて揺さぶりをかけようとしてると思うのだが、逆に凝り固まった感覚を覚える。この歯痒さは何なのだろう。

2018/09/06

踊る猫

『幽 花腐し』を読んだ直後に読んだからか、読み終えて唸らされてしまった。吉田健一の模倣のような文体からより骨太な文体へと変化したことは僭越な言い方をすれば「成長」なのだろう。だが、松浦氏はやはり津原泰水氏や平山夢明氏のような野蛮で血腥い、猟奇趣味的な世界は書けない。だから表題作もショッキングではあるのだけれど、何処か頭でっかちという印象が拭えない。私が興味を惹かれたのは主観のあやふやさを描いているところで、それは『幽 花腐し』から共通しているテーマなのだけれど幻惑的な筆致には辿り着いていないように思われる

2017/01/27

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