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新装版 阿片戦争 (一) (講談社文庫)

新装版 阿片戦争 (一) (講談社文庫)

新装版 阿片戦争 (一) (講談社文庫)

作家
陳舜臣
出版社
講談社
発売日
2015-09-15
ISBN
9784062931991
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新装版 阿片戦争 (一) (講談社文庫) / 感想・レビュー

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ケイ

一巻は1834年からヴィクトリア女王即位の1937年まで。イギリスの対清貿易は極端な輸入過多。銀は流出するばかり。それを補填して行ったのが阿片だ。阿片中毒の恐ろしさが浸透していないため、人々は軽く手を出し深みにはまる。阿片のために汚職や犯罪に手を染める者が出てくる。登場人物が多く中国名が記憶しづらく話をおうのに苦労した。対等な自由貿易を望むイギリスを追い払う中国はイギリスの恨みをかう。いま旅行で滞在している香港に地名で見られるヴィクトリアという文字たち。女王即位中に戦争で割譲されたのだとしみじみ思う。

2017/05/05

だまし売りNo

阿片戦争を描いた歴史小説。物語は英国船ロード・アマースト号による清国偵察航海から始まる。阿片戦争が英国が予め計画して準備していた侵略戦争であることを示している。清国の水軍はアマースト号を実力で追い払う力はなかった。日本の黒船来航と似たような状態が起きた。清国でも英国と戦争になったら敗北することを認識している人はいた。しかし、対応はなされなかった。硬直的な官僚機構の弊害である。阿片戦争を語る上では依存性ドラッグである阿片の害悪は外せない。登場人物は「一ばん腐った場所」として阿片吸引所を紹介する(176頁)。

2023/04/29

yuki@おぐ

【図書館】大きくなりすぎた獅子は、身体のあちこちで歪が生じている。壊したい男と維持したい男たち。 北京の美しい瑠璃瓦の長城、あらゆる悪が汚濁のようによどんでいる澳門、そして阿片には確実に速やかに中国を蝕んでいく。ヨーロッパ諸国がアジアを食い物にする、最後で最大の獲物、さて、二巻。まだまだ先は長いなぁ~(笑)

2016/03/31

しんすけ

陳舜臣43歳時(1967年)の作品。最も脂が乗り切った時期の作品であり陳舜臣の代表作である。 陳舜臣が文壇に登場したのは推理小説作家としてであった。 『枯草の根』や『青玉獅子香炉』などが陳舜臣の名を高らしめていたはずだ。その中で歴史小説である本編は意外でもあり、それほど注目されなかったのではないだろうか。 ぼく自身は『小説十八史略』が1977年に発表されたとき、陳舜臣の歴史造形の深さに感心させられたものである。 その後ようやく本書を手にして、単なる歴史記述でなく人間交流のドラマが描かれているのに気づいた。

2020/10/10

BIN

阿片戦争について知りたくて本書を読み出した。阿片の凄まじさがよく伝わってくる。中毒になって廃人になるし、軍人にまで及んでいて、政府の高官どもは保守的で対処を禄にしないし、賄賂が蔓延る。阿片ということで商人絡みの話が多く、序盤はかなりつまらないが、連維材が生贄として逮捕されてからはちょっと盛り上がってきました(終盤はクールダウンしましたが)。1巻でまだ阿片戦争5年前の話。先は長いのでのんびり読んでいきます。

2018/11/15

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