KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

女衒屋グエン (星海社FICTIONS)

女衒屋グエン (星海社FICTIONS)

女衒屋グエン (星海社FICTIONS)

作家
日向 夏
鈴木健也
出版社
星海社
発売日
2018-09-20
ISBN
9784065131107
amazonで購入する Kindle版を購入する

女衒屋グエン (星海社FICTIONS) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

真理そら

女衒屋グエンは物語の冒頭以外で女衒業に励んでいないけれど、そりゃそんな暇はないよねとも思った。登場する妓女がすべて魅力的に描かれているが、下働きの翡の目線で描かれたお仕事小説っぽくもある。とても楽しく読み終えた。

2023/05/28

よっち

とある花街のとある一角。妓館『太白楼』を舞台に春をひさいで生きている妓女たちそれぞれの人生と、都から届いた一通の文が妓館の運命を揺るがしていく物語。ワケありの冴えない女買いの男・虞淵と下働きの醜い少女・翡を物語の軸に据えて、旦那に売られた女や、兄が科挙を受ける学費のために売られた少女たちのこれまでの人生と葛藤が描かれていて、たくましく生きてきた矜持を失わない彼女たちのありようと、これまでの流れを踏まえて虞淵と複雑な過去に繋がってゆく最後の展開にはぐっと来るものがありますね。一琳のその後の話も印象的でした。

2018/10/31

あなほりふくろう

「薬屋のひとりごと」の成功と、そこで蓄積された知識が成させた一冊だとは思う。ただあちらではなかなか描けない女の弱さ儚さ、したたかさ、いろいろひっくるめた生々しさがしっかり描かれていて、それが物語に深みをもたらして。クライマックス、虞淵と翡の繋がりとそれぞれの過去の因縁が開陳される展開には驚かされ、彼女たちの言動に満足しつつ寂寥を覚えつつ、清々しい終劇となった。いい物語だった。

2019/05/05

サケ太

架空の中華系国家を舞台とした、女衒の物語。序盤で明かされるのだけど、この主人公の秘密が非常に面白い。かつての時代を描く小説では弱者として描かれがちな女性の強かな部分が描かれている。語り手の翡の視点で進む、男に、世間に翻弄された女性たちの強さと儚さ。この人の物語はしばらくすると読みたくなる中毒性があるように思う。

2018/09/21

masa

妓館の様々な女たち。女衒という人買いと、顔に火傷を負った下働きの少女のお話。1冊で上手く纏まり完結していて、所々垣間見れた綻びが、最後に明かされて納得した。途中にある挿絵も私は楽しめたし、良かったと思う。女が生きていくのに、女を武器にするだけではなく、音楽や書、あらゆる才覚を身につけ、価値を作る。大輪の花を咲かせられるのは、ほんのひと握り。大変な時代だったんだろうと思う。与えられた場所、囲いある場所からの巣立、幸か不幸かは誰も分からない。女たちが幸せであれと願う。人買いが、最後に遂げた事に喝采を送りたい。

2022/11/03

感想・レビューをもっと見る