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私たちはどんな世界を生きているか (講談社現代新書)

私たちはどんな世界を生きているか (講談社現代新書)

私たちはどんな世界を生きているか (講談社現代新書)

作家
西谷修
出版社
講談社
発売日
2020-10-21
ISBN
9784065214459
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私たちはどんな世界を生きているか (講談社現代新書) / 感想・レビュー

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trazom

西谷先生が、西洋近代化200年と明治150年の歴史の中で、欧州、米国、朝鮮半島、日本を振り返る警世の書。新自由主義への懐疑には全く同感である。「自由の底が抜けている」「公的機関である国家が、私的な経済活動のエージェントになってしまった」「政治の後退と経済の優位」「民営化(privatization)は「私物化」「私権化」と訳すべき」などの言葉に、先生の強い思いを感じる。社会の変質や崩壊を招いた一番の要因は「労働・雇用」だとして、ILOのフィラデルフィア宣言の重要性を指摘されていることに、蒙を啓かれる。

2021/01/05

踊る猫

教科書のような本だ。真面目に書かれていることが美徳で、その分脱線もなければ豊満な贅肉が生み出す旨味もない。ひと口で言えば、今のリベラルの良さとダメなところがこのコンパクトな本の中に詰め込まれている印象を受ける。この語り口は誰に向けたもので、どう届くものだろうか。アメリカを諌め、日本の国粋主義を嘆く「反日」の作法(私は、これは「保守」と言ってもいいと思うが)は読者の拒否反応を呼び起こすものと思う。それに対する工夫が見られないので、結局「面白味のない一冊」と処理されるのではと……この本の意義を買うだけに、辛い

2021/01/15

しゅん

現状を認識するために、西洋近代と明治以降の日本を振り返ってみる。アメリカ建国までの、現地民を無視した新世界に対する「所有」の「自由」が、「新(世界)自由主義」の源泉であるという指摘。それが今のグローバル格差社会の呼び水となる。日本だけの年号が西暦に基づく世界とのずれを生んでいるとしたら、それは今も同様ということになるか。平成の「失われた30年」は、冷戦終結の構造変化に国家の在り方を更新していくチャンスを逃し続けた30年と定義する。フランスの世界大戦以後の流れがぼんやりしていたので、学びになった。

2021/01/12

原玉幸子

西谷修は選ぶ題材と「切り口」が私の好みで、又、語り口が丁寧で心地良いです。『日本の明治一五〇年』初め日本の近代史は、只々イコールあほな自民党(とだらしない野党)に腹が立つだけですが、本書を要約する序章終章で著者の述べる「ポストトゥルース(Post Truth)」=真実ですらオワコンであるとすれば、「世の中とは、又私とは、一体どういうものなのか」との問い掛けは深いです。普通私は、本は読み返さないのですが、西谷の『理性の探求』(家のどこかにあるはず!)を読み返してみようかな、と思いました。(◎2020年・冬)

2020/11/20

七忍ミイラ

現代の社会状況に関して、これまでの西谷の仕事、戦争論やアメリカ論に基づきつつ、論じられている。特に日本のことに言及しており、近代批判や戦後政治批判、新自由主義批判などが展開されているが、時代診断も興味深い。現代は近代西洋の価値観が吹き飛びつつある時代である、と。また、ポストトゥルースを公私の逆転、私的なものこそが重視される状況との指摘は面白い。個人的には、西谷が嘆息交じりに書きつけている、もはや誰も自由や平等なんて求めてなんかいやしないのではないか……に、深い現代性を感じてしまった。

2020/11/23

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