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佐藤友哉デビュー20周年記念復刊企画 水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪 (星海社FICTIONS)

佐藤友哉デビュー20周年記念復刊企画 水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪 (星海社FICTIONS)

佐藤友哉デビュー20周年記念復刊企画 水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪 (星海社FICTIONS)

作家
佐藤友哉
笹井一個
出版社
星海社
発売日
2022-01-13
ISBN
9784065267776
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佐藤友哉デビュー20周年記念復刊企画 水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪 (星海社FICTIONS) / 感想・レビュー

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ほたる

青春をとことんまで歪めたものがこの一冊にあたるのだろうと思う。誰ひとりとしてまともなキャラをしている人がいない。ミステリ的な技巧を取り入れたミステリではない何か。最後まで読んでも相変わらず何もわからないが、その世界観には惹かれている。

2022/02/20

ニョンブーチョッパー

★★★☆☆ 積読15年もの第3弾。前作、前々作を読んだのが10年以上前なので、登場人物の立ち位置(やその変化)はまったく分からず。続けて読めばより楽しめたのかも。三者の視点の切り替わり(関係性、あるいは、関係のなさ)がいまいち読み取りづらく、置いていかれている感じでした。一般的に言って、近年のミステリだとそういうところも丁寧にフォローしてくれる作品が多いような印象。「世界を反転させる一文」もインパクトが少なくて、若干肩透かし感。

2023/12/16

東京湾

自意識過剰フリーター、虜囚の一家、迫害を受ける子供。自閉する三つの舞台は螺旋状に絡み合い、やがて認識は逆転し予め約束された破局が訪れる。被害者を標榜する加害者、献身を標榜する利己主義者、不毛な倒錯の破壊者、救いは誰一人として無い。仕掛けられた錯誤の巧妙さから、異端のミステリとしての鏡家サーガはこの作品で結実したと言える。また同時に破綻した人物のみで構成された本作が突きつけるのは、90年代後半からゼロ年代初頭にかけて閉塞するセカイを描き続けたサブカルチャーへの容赦なき清算である。その衝撃は今なお健在だった。

2022/02/26

ささやか@ケチャップマン

ラストのキスシーンの破滅的に悍ましい美しさに、初めて読んだとき私は物凄い衝撃を受けたことだけは覚えている。今読み直してみると、「僕」と自分の精神性に近似性を感じ、精神的な痛撃を受けた。整合性とか設定とかそういうものを精密に採点するなら低評価になるにも頷けるが、それを一蹴するような強力な衝撃を有した作品だなと改めて思った。そして福嶋亮大の解説が秀逸で、この物語をどう紐解けばよいのか読者にとって理解の一助となるだろう。良質な解説。

2022/02/14

いりあ

佐藤友哉が2002年に発表した鏡家サーガの3作目。前々作フリッカー式の5年前を描いた作品です。鏡家の次男、鏡創士が関わった殺人事件を中心にした作品です。過去2作品に比べて作品自体の質は上がっているように思いますが、基本的には過去作と同じ叙述トリックを用いており、さすがに荒唐無稽な世界が展開しても衝撃を受けるようなことはありませんでした。また作品全体に漂っていたアングラ感も薄れてしまったと思います。とはいえミステリーとして考えれば、一番まともだと思います。シリーズとしては一旦終了。

2024/03/10

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