マリーナ バルセロナの亡霊たち (集英社文庫)
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マリーナ バルセロナの亡霊たち (集英社文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
この作家の〈忘れられた本の墓場〉シリーズ「風の影」「天使のゲーム」「天獄の囚人」「精霊たちの迷宮」は私の愛読書ですが、さらにその前段ともいうべきこの本が訳されました。少年少女が主人公ですが、内容は怪奇幻想物語です。先のシリーズと同じに舞台はバルセロナですが、話に出てくる人物たちはほかの国からの出身者がかなりいます。内容は読んでいて「オペラ座の怪人」を思い出したり、シェリー(同じ名前の人物も登場します)の「フランケンシュタイン」のイメージが残ります。藤田和日郎さんの「黒博物館」シリーズでコミック化してほしい
2024/04/11
chacha子
よかった。マリーナ永遠なれ。
2024/03/29
石
優れた物語作家であるサフォンの作品なので、文庫で約300ページは物足りなさが残る もちろんこの分量の中に複雑な人生、切ない恋愛が込められているのだが 後の「忘れられた本の墓場」四部作に連なる才能の片鱗は見て取れる
2024/03/27
Ryo0809
スペイン作家の幻想的な作品。出身地でもあるバルセロナの魔窟を描く。二十世紀央の時代設定だが、古色蒼然とした中世的なテイストと、夢か現つかの怪奇的な展開がマッチしていて、妖しい雰囲気のなか物語は進む。登場人物が一人ずつ、それぞれの視点で語り継ぎながら、散りばめられた伏線を回収しながら事件の核心が明かされてゆく。ミステリーの要素も含めて様々なテイストが重層的に織り込められた独特な世界を楽めた。
2024/04/06
腹巻き
本国で発売されたのが1999年、日本で発売されたのが約25年後の2024年。遅すぎる。怪しく湿気帯びた世界感の中でマリーナは輝かしい。人が人を翻弄し怪物にする。怪物は紛れもない人である。人に翻弄され狂った歯車は戻らず悲劇へと続き、人を巻き込み時に人が歯車を加速させる役割を果たす。主人公もちょっとした好奇心から深みへと突き進む。人の闇と一筋の光を描いている。 読み終わっても余韻が残り霞んでるバルセロナに自分が居るみたいな感覚が残る。 大好きな作家です。全ての作品を今すぐ読みたい。
2024/04/26
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