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すみだ川・二人妻 (新潮文庫)

すみだ川・二人妻 (新潮文庫)

すみだ川・二人妻 (新潮文庫)

作家
永井荷風
出版社
新潮社
発売日
1969-05-30
ISBN
9784101069043
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すみだ川・二人妻 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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マカロニ マカロン

個人の感想です:B。永井荷風というと、妾との話とか娼婦が出てきたり、昔の風俗小説家という印象を持っていたのですが、今回読んだうち「すみだ川」は14歳の少年とその幼馴染の16歳の少女のお話で、少女が芸者になるため今までのような付き合い方をできなくなって喪失感に苦しむ少年の心と、それを理解してやれない周りの大人の関係を描いていた。この話は明治末期の作品だが、いつの時代も少年の淡い恋心はいいもんだと思った。「二人妻」「かし間の女」「かたおもひ」は明治大正期の大人の愛欲を描いていて、ユーモアもあり面白く読んだ。

2014/10/15

なおぱんだ

欧米の新しい文化や生活の波を受けた日本の変化を嘆き、古き良き江戸の風習を愛した作家による短編集です。その作品に描かれた東京の街並みは、下町の情緒と風俗を筆にした粋でもあり悲しみを帯びた記録でもあり、著者の波乱な人生を色濃く反映した作品の数々は、市井にたくましく生きる男女の悲哀を描き、どこか物悲しい印象を与えます。特に、芸者や妾という存在として生きる女性たちを描いた作品は、男の庇護を受けながらもずるがしこく生きる術を身に着けた痛快さが見られる半面、やはりその日陰者としての生き方を追求した物語になっています。

2018/02/09

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