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素晴らしい日本野球 (新潮文庫 こ 10-13)

素晴らしい日本野球 (新潮文庫 こ 10-13)

素晴らしい日本野球 (新潮文庫 こ 10-13)

作家
小林信彦
出版社
新潮社
発売日
1987-07-01
ISBN
9784101158136
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素晴らしい日本野球 (新潮文庫 こ 10-13) / 感想・レビュー

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メタボン

☆☆ 表題作は外国人が誤解している日本という視点で書かれた短篇。うーん、面白いかどうかは微妙。パロディが空回りしている印象。初小林信彦だったが、これはハズレであり、他の作品は面白い事を期待したい。

2021/02/03

浅香山三郎

外国人の日本文化誤解ネタ、あるいは「もしも日本が社会主義国家になつてゐたら」、「日本占領が戦後ずつと続いてゐたら」などの架空の日本ネタなど、今の時点からみると何れも何か使い古された状況設定だが、そこは1980年代のユーモア小説といふ目でみると、小林信彦氏らしい軽さと毒が交ざつた独特の風味が感じられる。後半の文体模倣小説もなかなか面白い。落語の口跡と翻訳小説、「到達」のいきなりの落とし方など、実験色も強い。何か、筒井さんみたいだと思つてゐたら、「発語訓練」で塙嘉彦氏の事を回顧する中で筒井さんの名も出てきた。

2018/10/05

おとん707

10編を収録。表題作と「素晴らしい日本文化」はフラナガンという日本通を自認する米国人の著書を翻訳したという体裁だが中身は誤解と間違いだらけの噴飯もの。実は全ては小林信彦の創作。つまりのちの「ちはやふる奥の細道」と同じアイデアだが「ちはやふる…」の方が楽しめた。特に表題作は昭和の時代なら誰でもピンとくるプロ野球ネタが災いして今となっては賞味期限切れか。むしろ「サモワール・メモワール」はもし日本の戦後が米国でなくソ連に占領されていたらどうなっていたかを描いていて、このご時世で読むと新鮮さと現実味を感じる。

2022/04/21

やいとや

原題の「発語訓練」というのは当時からいいタイトルだと思う。表題作も。この一連の作品がなければ、やはり「僕たちの好きな戦争」はないだろう。でも、それに関係なく、殊に好きなのは「翻訳神話時代」の久保田万太郎の弟子筋の翻訳。「高慢と偏見」なんかこの人が訳したら読みやすいのになあ。「いちご色の鎮魂歌」はそのまま面白い。「ハバロフスク小唄」は、「サモワール・メモワール」で覚えたのか。本にジョージ川口の訃報記事が挟んであったのが、自分で面白い。

2018/08/02

takejin

小林信彦が翻訳した、外国もの。ではなくて、もとから小林信彦が書いたもの。いまでこそ、こんな異文化視点小説はなじみがあるけれど、当時はかなり特殊な感じがしたものだ。筒井の話が出てくるが、まさに、筒井の持つ特殊性を、小林信彦が示してくれたような小説。清水義範のパスティーシュのようでもあり、なんでもできた作家「小林信彦」ならでは。ホワイティングと併読すると、さらに楽しめる。

2010/03/16

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