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みすゞと雅輔

みすゞと雅輔

みすゞと雅輔

作家
松本侑子
出版社
新潮社
発売日
2017-03-03
ISBN
9784104166022
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ジャンル

みすゞと雅輔 / 感想・レビュー

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はる

金子みすゞの弟、上山雅輔。姉を愛し、姉の才能を信じ続けた彼の見た金子みすゞの人生とは。とにかくこの雅輔という人は典型的なボンボンで、世間知らずのあまちゃん。大人になっても放蕩ばかり重ねている。だから一層、自分の想いを表に出さずひっそりと詩歌の創作に励んでいるみすゞがいじらしい。これからという時に、次々と不運が重なってしまうみすゞ。もう少しタイミングがずれていれば…。みすゞの悲痛な相談も暢気な雅輔の心に届くことはなかった。死の直前に撮られたという、みすゞの凛とした姿が唯々、哀しい。

2022/01/28

fwhd8325

3.11の時、放送ではCMが自粛され、金子みすゞさんの詩を朗読する公共CMが頻繁に放送されていました。知っているようで知らなかった金子みすゞさん。その頃、再びブームとなり、五木寛之さんが評した「生きづらかったんだろうなぁ」という言葉が印象に残っています。亡くなってまもなく、西条八十が新雑誌を発行するエピソードにあるように、どこかのタイミングによって、人生は大きく変わるものでしょう。ただ、常に闇の時間ばかりでないにしても、どこかに影を感じさせてしまう人生は、悲しい。

2017/04/09

mm

金子みすゞには実弟がいた。弟は2歳前に叔母の嫁ぎ先である下関一の書店を経営する上山家の養子となる。彼の残した下関商業時代から平成元年の没年までの日記や書簡が発見され、松本侑子がこれを丁寧に読み解いて、資料に基づくフィクションを書き上げた。上山雅輔と金子みすゞの間には、初めは話の合う文学好きのいとこ同士として、後には姉と分からがやはり最大の理解者として相手を思う気持ちがあり、彼を通して見たみすゞの伝記ともいえる。みすゞさんの結婚前当時は、童謡は子どものためというより文学の一つのジャンルとしてあった。→

2018/11/13

信兵衛

読了した時には、みすゞの面影に圧倒され、余韻がいつまでも消え去りませんでした。松本侑子さんの力作と言って間違いなし。

2017/04/22

あいくん

☆☆☆☆松本侑子さんは「赤毛のアン」など外国文学の文学散歩についての著作、太宰治についての文学散歩の著作、太宰治と愛人の山崎冨栄さんについての評伝もあります。これは金子みすゞさんと弟の上山雅輔さんについての評伝です。下関駅には金子みすゞの案内図があります。仙崎には何度か行きました。金子みすゞ記念館や青海島の入り口の展望台を訪れました。町を歩くと金子みすゞのいろいろな展示があります。下関から仙崎まで、「みすず潮騒号」という観光列車が走っていましたが、いまは「〇〇のはなし」が下関から萩のあいだを走っています。

2020/04/26

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