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おばちゃんたちのいるところ - Where the Wild Ladies Are

おばちゃんたちのいるところ - Where the Wild Ladies Are

おばちゃんたちのいるところ - Where the Wild Ladies Are

作家
松田青子
出版社
中央公論新社
発売日
2016-12-07
ISBN
9784120049187
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 ダ・ヴィンチWeb編集部メンバーが、“イマ”読んでほしい本を月にひとり1冊おすすめする企画「今月の推し本」。  良本をみなさんと分かち合いたい! という、熱量の高いブックレビューをお届けします。

”短くて不思議な話”がクセになる『よるのえ』(キューライス/大和書房) 『よるのえ』(キューライス/大和書房)  2匹の猫が船の上で“お星さまの口から注がれる金平糖”を集めた瓶を支えている、可愛くも少し不気味で独創的なイラストにまず目を奪われる。100を超えるカラーイラストそれぞれにショート・ショートが収録され、これまでのキューライス氏の作品とは一線を画す初のイラスト集はとても新鮮。本を開く前から読者に期待を持たせてくれる。

「『ポストの中には郵便局員さんが入っているんだよ』そんなことを同級生の林田が半笑いで言ってる。」という始まりの、くだらないようでちょっとロマンも感じる話。ほとんどが非現実的なイラストなのに、「池袋行きの丸ノ内線に乗って一番端の席に座っていると、前の座席に母と座る幼稚園児くらいの女の子が目に入った。じっと私を見つめて目を離さない」から…

2022/6/19

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おばちゃんたちのいるところ - Where the Wild Ladies Are / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

表題作を含めて17の掌編からなる作品集。各篇はなんとなく緩やかに関連している。それらのいずれもが歌舞伎の狂言や舞踊、あるいは落語の演目となにがしかの繋がりを持っている。例えば巻頭の「みがきをかける」は歌舞伎舞踊の『娘道成寺』、表題作は落語の『反魂香』といったように。また、タイトルは当然センダックの『怪獣たちのいるところ』のパロディ。そうすると、おばちゃんたちは怪獣かい?いえいえ、怪獣ではありません。多くは幽霊なのです。いずれの掌編も面白いが、しいて1篇を採るなら「牡丹柄の灯籠」か。

2020/12/15

風眠

歌舞伎や浄瑠璃は格調高いイメージだけれど、中身はメロドラマだ。不幸に次ぐ不幸、やっと幸せになれると思ったのに、また不幸が!・・・とまぁ、だいたいこんな感じなのだけれど、松田青子が歌舞伎や浄瑠璃を底本に連作短編を書くと、ついつい突っ込みたくなる独特な可笑しさが醸し出されるのは、彼女の持ち味というか、魅力だなと思う。悲劇のヒロインであるはずの、お七やお菊やお岩。それから関西弁丸出しの富姫や、愛人だったおばちゃん。死んでもただでは起きないパワフルさと、軽〜いノリがたまらない。「おばちゃん」だから、面白いのかも。

2017/04/07

❁かな❁

やっぱり松田青子さん只者じゃない!!落語や歌舞伎や怪談などを題材に現代に幽霊が普通に現れたりする不思議でなおかつパワフルな連作短編集♪松田青子さんの作品を読むのは5作目ですが本当に今作も青子さんにしか書けないようなお話*最初の方はどんな感じかなぁと様子を見る感じで読み進め、途中から思い切りこの世界に入り込んで楽しめました!青子さん独特のパワー漲る言い回しも健在で他に、じーんとしたり、ほっこりするような可愛いお話もあり、皆が愛おしくなります♡「チーム更科」素敵♡汀さんもなんかいいです(笑)青子さん最高ー★

2017/03/14

kana

青子さん、天才かもしれない、と読み進むにつれじわじわくる面白さです。あの世とこの世の人が愉快に混ざり合う現代社会を舞台にした連作短篇集。各話、落語や古典文学を本歌取りし、フェミニズム的な側面も織り込んだ上で、エンタメとしても完成度高く仕上がっています。たとえばあの世サイドから謎の灯篭を売りつけてくる強引なセールスレディとの一幕やら謎の怪物ガムちゃんをペットに暮らす孤独な女性の日常やら自殺したお母さんと同じ会社で働く青年の成長譚やら…激しく狂ってるのに、妙に心に刺さるフレーズがたくさんあり、癖になります。

2018/11/20

じいじ

 歌手の松田聖子が好きで付けたペンネームだそうだ。ただし名前は(アオコ)と読む。11編の連作短篇集。テーマもテーストも変化があって面白い。初読みだが、この作家さん独特の世界観を感じる。出だしは松田聖子ではなく、きゃりーぱみゅぱみゅの歌を聞いてるような奇想天外な華やかさの感触。途中からは、山崎ナオコ―ラの文体が思い浮かんだ。多彩な個性が文面に滲み出ている。【ひなちゃん】の友人と出掛けた多摩川で骸骨を釣り上げる話は、まさに名人の落語を聞いている面白さだ。装丁が秀逸。【図書館本】

2017/03/29

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