小説で読みとく古代史 (NHK出版新書 697)
ジャンル
小説で読みとく古代史 (NHK出版新書 697) / 感想・レビュー
trazom
確かに古代史を小説で読み解くというのは、いいアイデアだと思う。史料も限られ、数多くの仮説が可能となる古代史には、小説家の豊かな想像力が発揮できる余地がある。実証主義的歴史学が全盛の現代だからこそ、妄想に近い自由な発想で書かれた小説を通じて、歴史の面白さに触れることができる。邪馬台国は九州か畿内か、欠史八代と卑弥呼の関係は、継体天皇の出自は、アマテラスは推古か持統か、天武天皇は漢皇子?、持統と不比等の関係、孝謙と仲麻呂の関係など、著者自身の考えを添えて古今の小説が紹介されている。巻末のライブラリーも有難い。
2023/05/01
さつき
卑弥呼から始まり、孝謙天皇まで様々な古代を題材にした歴史小説や漫画が紹介されています。繰り返し読む愛読書もあれば、全く知らなかった作品もあり。タイトルだけ聞き気になっていた作品は必ず読もうと心に誓いました。大好きな作品について周防さんが語るのも楽しいし、知らない作品については、こんな見方があるんだ!と目からウロコが何度も落ちました。実態が分からないからこそ様々な想像が繰り広げられ楽しいんですよね。読みたい本がまた増えました。
2023/03/31
けやき
卑弥呼から孝謙天皇までの日本の古代史に関する作品(主に小説)を紹介している。読みたい本を数冊発見できた。
2024/03/26
Y.yamabuki
単なる作品紹介ではない。各章冒頭に天皇家の系図や地図を伴った周防さんの概説があり非常に分かり易い。その後の小説紹介では、史実の空白を埋めての各々の作者の創作の方向性を、彼女自身の見解を交えて比較していて興味深い。そしてこれ程多くの古代小説が書かれていたことに、驚かされる。資料が少ない時代だからこそ、創作の余地があり、作者、読者双方のロマンを掻き立てるのだろう。予想以上に面白かった。他の時代も読みといて貰えると嬉しい。
2023/06/08
にゃも
2,3世紀の邪馬台国から8世紀の奈良時代あたりまでを、それぞれの時代を描いた小説などを通してたどっていくのだが、予想以上に面白かった。数少ない史料や考古学的発見をどう捉えるのか、作家によって様々な見方をされているところが興味深い。蘇我氏と葛城氏の関係や謎の多い(つか古代史は謎だらけだけど)継体天皇はもちろんのこと、河内王朝についてもっと知りたくなった。それにしても歴史は日進月歩。ボーっとしていると、いつの間にそんなことになってんだ!と驚くばかりだ。
2024/02/21
感想・レビューをもっと見る