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輪廻の蛇 (ハヤカワ文庫 SF ハ 1-39)

輪廻の蛇 (ハヤカワ文庫 SF ハ 1-39)

輪廻の蛇 (ハヤカワ文庫 SF ハ 1-39)

作家
ロバート・A・ハインライン
Robert A. Heinlein
矢野徹
出版社
早川書房
発売日
2015-01-23
ISBN
9784150119898
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輪廻の蛇 (ハヤカワ文庫 SF ハ 1-39) / 感想・レビュー

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のっち♬

1959年発刊。6割を占める中編『ジョナサン・ホーグの不愉快な仕事』の掴みどころのない不穏な空気、焦ったい操作模様、人間存在の不確かさを扱うテーマ性はカフカを想起させる。同様なテーマの『かれら』、精巧かつ自己完結的なタイムトラベルを"性の解放"と絡めた表題作は終盤の変転が劇的。論理的諧謔を果てまで縦横無尽に展開させる様は鬼才。アメリカンな郷愁を醸し出す『像を売る男』、意志を持つ旋風を活躍させピリリとした政治風刺を盛り込む『わが美しき町』、過剰空間住宅を売り込む『歪んだ家』などユーモアを交えた粒揃いな6編。

2023/12/18

スカラベ

ハインラインが紡ぐ6編のSF短編集。だが、本の半分を占めるのは「ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業」というもはや中編の小説。実存のあやうさをテーマとし、鏡が怖くなるホラー要素もある話。表題の「輪廻の蛇」は、究極のタイムパラドックス作品と評されるだけあって凄まじい。恐ろしくも閉じられた無限ループの世界に陥った主人公の身になると、絶望感さえ漂い、吐き気をも覚える快作。他にも、4次元の中に建つ家を描く「歪んだ家」とか、時空と空間の中を自ら整理した上で読解することが要求される。頭を柔らかくして臨む必要がありそう。

2015/04/01

yamatoshiuruhashi

表題作を含む6篇の短編集。表題作が映画化されたことも知らなかったが、それがタイムパラドックスの作品で、当然ややこしいながらも、パラドックスそのものを利用した物語にSFアンテナが満足。内容はネタバレになるので書かない。後の5篇は玉石混淆だが訳者が矢野徹、福島正実だったりしてオールドSFファンとして満足。「象を売る男」の温かいラスト、「わが美しき町」はフィニィの「ゲイルズバーグの春を愛す」を連想させ、「歪んだ家」は四次元空間を使った家を建てたドタバタだが、筒井康隆を連想して(多分彼も読んだ筈)楽しめた。

2021/09/19

波璃子

「輪廻の蛇」が読みたくて読んでみた。人間の言葉を理解できるつむじ風が登場する「わが美しき町」が良かった。この作品の登場人物の名前がピートで、ハインライン繋がりから思わず反応。

2015/07/18

バ度ホワイト

映画『プリデスティネーション』の原作ということで読んだ『輪廻の蛇』。前に映画を見て結末知ってるのに途中から訳わからなくなり二度読み直しました~オモシロかった!短編だからと侮ってはいけない。映画も再見してちょっとした原作との違いを見つけながら楽しく鑑賞。より理解出来て満足。『ジョナサン・ホーグ氏~』はちょっと長いけど先が気になって一気に読んだ。『歪んだ家』は過剰空間や四次元など難しいコトバが出てくるけど実は笑える話。

2017/04/06

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