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中国「軍事強国」への夢 (文春新書 1424)

中国「軍事強国」への夢 (文春新書 1424)

中国「軍事強国」への夢 (文春新書 1424)

作家
劉明福
峯村 健司
加藤嘉一
出版社
文藝春秋
発売日
2023-09-20
ISBN
9784166614240
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中国「軍事強国」への夢 (文春新書 1424) / 感想・レビュー

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横浜中華街2024

著者は軍部でもタカ派で知られる中国国防大学の劉明福教授(上級大佐)。2010年に出版した「中国の夢」は中国でベストセラーになり、これが習近平政権の政治スローガンの基盤となったと言われている。一読すると中国のタカ派軍人の思考や理論が一通り理解出来る。台湾については「平和的統一」が第一であるが、それが出来ない場合は平和より統一を優先するというスタンスで、武力行使を肯定している。日本のタカ派軍事関係者の中に著者と同じくらい包括的かつ長期的な視点で日本の対中・北朝鮮軍事戦略を述べることが出来る人はいるのだろうか。

2023/10/31

藤井宏

米国はかつて南北戦争で甚大な犠牲を被った(南北あわせて64万人が死亡)が、そのおかげで国力が上がり世界大国になった。だから中国も台湾との統一は平和的ではなく武力で統一すべきといった物騒な主張。「中国は世界の平和に貢献します」ってどの口が言う。

2024/01/24

大森黃馨

中国タカ派軍人による、嘗ての我が国の太平洋戦争前の革新派軍人を思い起こさせる激の書。但しその主張だが、著者が日本に招かれて同様の内容を講演したりしていることからも、今直ちに革命的行動を起こせといった意があるとは思われない。言わば毛沢東以来の思想の再確認でありアメリカン・ドリームのようにチャイナ・ドリームを語ったものでありそれをいつでも行い得るように身を慎み邁進せよ、という道徳的なものを目的とした書に思える(無論、何時実践されるかという危険が常につきまとっているのだが)

2024/01/03

古本虫がさまよう

中国軍人の「言いたい放題の放言本」。習近平の指摘(解放軍の職務と使命はたゆまなく改革していく必要あり)を受けて、そして中国の4つの夢(世界最強の軍隊となり、侵略の歴史を持たない記録を更新していくとか、台湾統一を目指す)を実現するために頑張るぞ、エイエイオーという感じで吠えている。「中国が軍事力の海外進出を加速化していることは侵略ではなく、軍事的覇権を求めているわけでもない。中国の国外における国益を守り、地域の安定と世界の平和に責任を果たし、貢献するためだ」。仮想敵の理屈を知る上で参考にはなる。

2023/10/15

Koki Miyachi

中国国防大学教授で、習近平政権の政治スローガンとなった著作「中国の夢」の筆者の最新刊。習近平の軍事構想の指南役である。台湾併合と中国統一の必要性と正当性が、中国側の視点で語られる。米国への客観的な視点も持ち、とるべき政策も理路整然と理論構築されている。欧米視点の国際協調が、中国にとっていかに欺瞞に満ちているかよく分かる。この対立的な価値観が衝突しているのが世界の現状である。中国の行動原理と戦略が詳らかにされていて、中国はそれに従って行動している。本書は中国からの挑戦状。理解して行動することが不可欠だ。

2024/01/29

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