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北極海へ (文春文庫 の 5-1)

北極海へ (文春文庫 の 5-1)

北極海へ (文春文庫 の 5-1)

作家
野田知佑
出版社
文藝春秋
発売日
1995-11-01
ISBN
9784167269098
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北極海へ (文春文庫 の 5-1) / 感想・レビュー

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saga

【再読】フォート・プロビデンスからマッケンジー川を単独で漕ぎ下り、北極海へ。上陸した場所での自給自足なキャンプ生活や、点在する町で現地のインディアン(原文ママ)と交流する描写がたいへん面白い。特に上陸した町に数日間滞在しながらの川旅は、江戸時代の街道をゆく旅を思い浮かばせる。200年前と変わらない川とその周辺の自然は、21世紀の今も同じだろうか? 日本の川と違って、緊張する瀬もなく風景も変わらず、著者にとって退屈な川下りだったらしい。しかし、生命維持という点では緊張感に富んだ旅ではなかろうか。

2022/01/25

goro@80.7

野田氏も今年で79歳。この北極海へ続くマッケンジー川を下ったのは49歳の頃でしょうか。ご本人は冒険家じゃないと仰ってますが、川遊びと言うよりはとても過酷そうに見えるけど氏の文章を読んでいるとユーモア満載だし出会う人たちは誰もが友達のようで「いつかは俺も…」と思っちゃうんだよね。川岸に住むインディアンの生活を聞かされるとなんだか自分が小さい人間やなぁ毎日なにやってるんだろうかと溜息ばかり。若い人に読んでもらいたい本だし、短い人生じゃんじゃん何処でも行って欲しいね。

2017/03/24

ちびbookworm

★3-3.5。除籍本を無料で戴く。数年ぶりの再読◆原野の川の上(カヤッカー)の自由。軽くドライな文章が読みやすい。心と頭をフリーにして、身体を水の上に浮かべ、風のように読むのが良い。ウィスキーのような、一人旅の深い味わい。◆「午前0時。川が凪いだ。風がなく、波もなく、鳥も鳴かず、獣も吠えず、マッケンジー川は白夜の静寂の中を黙々と流れた。西の空が少しずつ色を集めて、濃くなり、山の端のあたりをまばゆく照らす。やがて、黄金の光の馬が空を駆け巡ると、美しい夕焼けが現出する。 

2021/02/23

糜竺(びじく)

とても自分には無理だけど、読んで追体験できて良かった。なんか雰囲気だけでも味わえた気がする。

2019/08/09

Sakie

マッケンジー川を下る。floating life。カヌーに乗ったまま川を一日中流れっぱなしなんて、まさに男の旅。長い時間ぼーっとする贅沢は釣りに似て、私みたいな忙し屋には耐えられないだろう。でも『すべての幸福も不幸も自分のせい』という自由には憧れる。死に至る決断をしたとしても、他人の行動を禁止する権利は誰にもない。そこが日本と決定的に違う。そしてその無限の決断と引き換えに、この上なく美しいものに出合うのだ。極地の『地球上の流木が全部集まっているかのよう』な海岸を想像する。その青く燃える火を想像する。いい。

2020/06/21

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