武士道シックスティーン (文春文庫 ほ 15-1)
武士道シックスティーン (文春文庫 ほ 15-1) / 感想・レビュー
yoshida
誉田哲也さんは初読みの作家さんです。私は小学校から中学まで剣道部でした。練習嫌いの試合好きでした。この作品を読むと団体戦での連帯感と、個人戦での突き抜けた感じが伝わってきます。何より、剣道エリートの香織のようにストイックに剣道に取り組む姿に清々しさを覚えた。日舞から転向して3年で驚異的な強さを持つ早苗。二人の剣道は相反するかも知れない。だが、剣道が好きという気持ちから始まるアプローチは同じだと思う。最後に待つまさかの展開。これは続編を読みたくなる。読みやすく暖かい読後感。この作品で剣道が広まると良いな。
2017/04/02
absinthe
爽やかな青春小説。主人公が二人で1人称というのも面白い。交換日記をのぞき見した様な趣向。二人はそれぞれ自分に欠けていた部分を埋めていく。正反対の二人は互いを足し合わせて2で割ったのではない。足し合わせて成長した。青春時代の成長の物語だ。女が主人公だからといって、余計な恋愛要素はない。竹を割った様な小説だった。
2016/12/09
青葉麒麟
青春スポーツものと言ったら大体男子が多いのに、女子が主人公で新鮮だった。おまけに剣道だし。剣道経験者は凄く楽しめるんじゃないかな?おっとりしているけれど、粘り強い早苗が好き。前半の香織の性格はあまりにも時代錯誤で一寸引いた。読後感がとても爽やか。
2013/07/30
zero1
殺人やホラーで知られる誉田が描く、笑いあり涙ありの剣道青春記!中学時代、早苗に負けた全国大会二位の香織は同じ高校に入学。宮本武蔵オタクで勝ちに拘る剛の香織。日舞の経験が生きる柔の早苗。関東大会は香織の負傷があったものの補欠の早苗が活躍。しかし香織は何のための剣道か悩む。香織が連敗で足を引っ張り、インハイは団体戦で敗退。悩んだ先に光は見えたか?そして別れが。文庫解説は翻訳家で芥川賞作家の父、金原瑞人。本書を絶賛している。再読でも面白い。後輩が入ってきて二人はどうなる?続きも読まねば。
2019/08/06
風眠
おもしろいとは聞いていたものの、私もそう感じることができるのかな・・・というのは余計な心配だった。剣道のことなどひとつも分からない私でも、引き込まれるように読んだ。幼い頃から剣道一筋、宮本武蔵大好きオラオラ系女子の香織と、もともとは日舞をやっていて高校から剣道に転向した、天然でマイペースな早苗。ライバルのような、親友のようなふたり。香織と早苗のたすきが交差していくように、この本には赤と白のスピンが2本付いているのが憎い演出だ。ちょっと青臭い武士道精神がくすぐったい、好きなことに一生懸命な女子高生の物語。
2013/03/15
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