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昭和天皇の声 (文春文庫 な 82-2)

昭和天皇の声 (文春文庫 な 82-2)

昭和天皇の声 (文春文庫 な 82-2)

作家
中路啓太
出版社
文藝春秋
発売日
2022-07-06
ISBN
9784167919092
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昭和天皇の声 (文春文庫 な 82-2) / 感想・レビュー

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くさてる

昭和天皇とその生涯にまつわるもろもろの人々の視点から描いた昭和を舞台にした連作短編集。能條純一の「昭和天皇物語」を読んでいるので、その参考にと思って手に取ったのだけど、面白かったです。二・二六事件の裏側にあった救出劇を描いた「総理の弔い」、立憲君主としての天皇と戦後の巡幸での情景が印象深い「地下鉄の切符」の二編が特に良かった。

2022/09/14

新父帰る

2022年7月刊。本書は五編からなる連作短編集だ。1.陸軍中佐相沢三郎と永田鉄三少将 2.2.26事件と岡田啓介総理の救出劇 3.鈴木貫太郎侍従長の妻と安藤輝三大尉 4.田中清玄と昭和天皇 5. 昭和天皇と田中義一総理 以上五編である。どの編も面白く、思わず吸い込まれてしまう。最近ではこれほど夢中になれる内容の本はなかった。著者の筆力の負うところが大きいと思う。小説風であるが、ドキュメンタリータッチで迫真に迫る描写も随所に見られた。昭和天皇の実像もしっかり表現されていると思う。傑出した作品だ。

2022/08/05

しゅー

★★不思議な読み心地の短編集。知らない作家さんだが、書店でなにか感じるものがあり購入。永田鉄山暗殺(『感激居士』)から二・二六事件(『総理の弔い』『澄みきった瞳』)、田中清玄(『転向者の昭和20年』)と昭和のあの時代が舞台。教科書的な知識しかない出来事が小説に仕立てられることで、人間味を増して感じられた。世の中に不平等がはびこり、政党政治が世の信頼を失い、純粋な若者が絶望して蛮行に走る。人ごととは思えない状況だ。そしてラストの『地下鉄の切符』で歴史のイフについて深く考えさせられる。いつか読み返してみたい。

2022/07/16

つじー

ノンフィクションのようで小説である不思議な短編集。昭和史(特に戦前)が頭の中で整理されて理解できるし、どの短編も味わい深く、読後感もすべてすっきりする。この本を手がかりにして深く昭和史を調べてみるのも面白いかも。道産子としては樋口季一郎が登場する『感激居士』には引き込まれた。鈴木貫太郎の妻・たかが主役の『澄みきった瞳』や田中清玄の『転向者の昭和二十年』もよい。ラストの『地下鉄の切符』では言葉少ない昭和天皇に思いを馳せてしまう。厚みもないし読みやすい。おすすめ!

2022/11/12

あろぴ

史実。 へー、ふーん、え?が頭に浮かぶ本だった 昭和天皇は戦死者の遺族には、憎む敵になっているけど(事実、私の祖父は戦死し、父は天皇陛下をよく言わない) 父にも読んでほしい本だとも思った 天皇は天皇なりに(言い方が悪いですが)思慮深く、立場上ノーが言えない存在であったこと、国民の幸せを望んでいたことなどは是非読んで、何かを感じてほしい

2022/11/09

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