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鬱ごはん 5 (5) (ヤングチャンピオン烈コミックス)

鬱ごはん 5 (5) (ヤングチャンピオン烈コミックス)

鬱ごはん 5 (5) (ヤングチャンピオン烈コミックス)

作家
施川ユウキ
出版社
秋田書店
発売日
2023-10-19
ISBN
9784253256193
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鬱ごはん 5 (5) (ヤングチャンピオン烈コミックス) / 感想・レビュー

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キク

ド嬢の遠藤君が施川がなりたかった高校生で、鬱ごはんの鬱野は施川がなっていたかもしれない社会人なんだろうなと思って読んでいたら、あとがきで「最近は鬱野というキャラクターを、ありえたかもしれない自分としてみてしまう。自分と鬱野、ふたつの人生が重なり合って、ひとつの人生を生きているような不思議な感覚だ。6巻では、鬱野の感情を取り戻したいと言ったら大袈裟だけど、怒ったり笑ったり取り乱したりするネタを増やせたらいいな」と語っていた。マジで頼むよ。鬱野は高校の図書室から社会に出ていった遠藤君の姿でもあるわけだからさ。

2023/10/27

ぐうぐう

これほど現代をリアルに映し取った漫画は他にないだろう。時事が描かれているからではない。時事に触れる主人公・鬱野の、その思考や行動に現代をいやがうえにも感じてしまうからだ。それはズバリ言えば、共感でもある。980円の鰻弁当を食べながら、ウナギの絶滅に加担しているのではないかと考える鬱野。「自分ひとりではウナギを絶滅させられないが「滅ぼす側」になるのはたやすい」「「滅ぼす側」でいることの意心地の悪さに人々は鈍感さで対抗するだろう(つづく)

2023/10/29

耳クソ

あとがきで作者によって「ここ数年の鬱野は、疲弊しているのか老成しているのか、比較的感情の起伏が乏しい」と書かれているが、「起伏が乏しい」のはむしろ鬱野にわざわざいてもらっているこのクソみたいな社会の方であり、ありもしない「起伏」を齎して社会という擬制のなかの成員として誰をも巻き込んでいくのがコロナ禍以降に露呈された欺瞞性である。だが、そんな欺瞞性などお構いなしだった4巻と比べると、たしかに今回の鬱野の戦い方は少々粗いとは思う。戦うことを知らない、擬制のなかの奴らがとやかく言えることではないけどね。

2023/10/22

九夢

【全力で「BETしない」にBETしていた】 コロナ禍。家の時間が増えて、時事ネタが多め。ニュース、新しい文明、知人とのやりとりに仕事、全てスマホで完結していて、知らぬ間に、ディストピアみたいな世界になっていた。 ネット上の知らぬ人からの叱責や注意が脳内自動生成できるくらい溢れていて、世界が暗く感じるのに、鬱野に話しかける知らない人たちはどこか明るくて、世界は全然終わっていないと思った。

2024/02/07

ふりや

いくら読んでもまったく食欲が湧いてこない唯一無二の食マンガ第5巻。最近は食べ物より主人公の鬱野くんの日常、肥大していく自意識、孤独や不安がメインに描かれており、その圧倒的な読後感は太宰治に匹敵すると思う。もはやブンガク。現実世界とリンクした時事ネタもリアルです。あとがきで著者が「鬱野はあり得たかもしれない自分」と書いているのですが、自分も鬱野くんに感情移入し過ぎてしまって、読むのがちょっとつらくなる時がある程でした。これからもずっと続いてほしい作品ですが、彼はこれからどんな人生を歩んで行くんだろう。

2023/10/19

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