ヘンリー・ジェイムズ短編集―「ねじの回転」以前―
ヘンリー・ジェイムズ短編集―「ねじの回転」以前― / 感想・レビュー
みゆき・K
「ねじの回転以前」という副題が奇遇で絶妙。スクリューの回転と共に締め上げられるような息苦しさ、恐怖感はない。けれどこの結末はどうなるのか?静かな怖さがヒタヒタと近づいてきて惹き込まれた。人生においての邂逅は、時には悲劇を招く。まるで坂道を転がり落ちるように加速しながら。それは誰にも止めることはできない。これは幸せなのか?不幸なのか?余韻を残す結末もジェイムズならではだ。こなれた翻訳のおかげで読みやすい。著者はアメリカ生まれなのに、ヨーロッパの香りに浸れる6作品。面白かった。 図書館本なので備忘録 →
2022/04/16
ぺったらぺたら子
これは読まなくて良い本かもね。「ねじの回転」以前、というだけあって、全然回転しません、オバケも出ません。理屈っぽさと回りくどさは最初から全開なのだが、あの見事なまでの洗練は、勿論最初からでは無かったのですね。徐々に出来上がっていき、優雅なフレーズが飛び交い始める、という過程は楽しめるが。やはりまだ人の頭の中に入ってきて脳を改造してしまう装置としての小説ではなく、単にお話でしかない。そして、まだアメリカンな感じ。「友人ビンアム」は成瀬の「乱れ雲」みたい。「ユースタス様」の前半は太宰の「黄金風景」みたい。
2018/05/27
noémi
ねじの回転を借りたつもりだったのに、「ねじの回転以前」という残念すぎる本でした 苦笑 今、自分自身の心のコンディションがかなり悪いせいか、こういう廻りくどい話は全然感動できない。 ちょっとさみしくリタイア・・・・。そのうちまた、トライ・アゲイン!!
2011/05/21
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