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カノン

カノン

カノン

作家
中原清一郎
出版社
河出書房新社
発売日
2014-03-10
ISBN
9784309022666
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カノン / 感想・レビュー

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ゆみねこ

末期がんの58歳男性の脳組織・海馬を、記憶を失う病気の32歳の女性に移植する。肉体が滅びることを惜しみ、自分の記憶を持ったまま他人、しかも性の異なる人間として、5歳の子供の母として生きることが可能なのか?テーマは中々面白かったですが、他人の体になっても生き続けることを選んだ北斗に対して強く違和感を感じてしまいました。

2015/04/13

ミーコ

本の帯を見て、面白そうだと思い読んでみました。58歳の男性と、32歳女性の海馬を入れ換えて 記憶 人格はそのままって、随分無理が有るなぁと思いつつ読み進める、中盤からグイグイ引き込まれ、ほぼ一気読みでした。馴れない子育てに奮闘しながら成長して、新たな人格が育って行く過程が巧く描かれていました。色々と考えさせられる物語でした。

2014/06/18

ぶんこ

末期癌の58歳男性と、記憶が無くなっていく難病に侵された32歳主婦が、海馬を交換する手術をして入れ替わる・・・結構怖い話でした。 4歳の達也君の為に、母親としての存在を残す為の決断とはいえ、男性北斗さんの奥様、女性歌音さんのご主人の事が頭から離れず、切なかったです。 家族としては、どんな形であれ生きて側にいて欲しいものではないのかな? 二家族の祖父・祖母等の認知症にかかる年齢が60代前半に偏っているようで、違和感がありました。 今は80代が平均ではないでしょうか。

2015/04/02

むぎじる

58歳の末期がんの男性:北斗。次第に記憶を失う病にかかってしまった、共働きをしながら男の子を育てる32歳女性:歌音。さまざまな条件をクリアし、記憶を司る海馬を交換する手術をすることになった物語。手術後は、肉親や配偶者や子どもに会うことはできないが、肉体を失っても記憶として生きることを望む北斗。子どものために、肉体を存続させ、体が覚えている記憶で母親として生きようとする歌音。生に対するお互いの強い想いが、全編にわたり伝わってくる。ラストに描かれている弊害に改めて驚く。

2015/04/11

Ikutan

記憶が消えていくジンガメル症候群になってしまった32歳の歌音(カノン)は遺される4歳の息子の為に余命僅かな58歳の男性と脳間移植を受ける。脳移植ということで東野さんの変身を思い浮かべたが、ちょっと切り口が違う。こちらは記憶を司る海馬の移植でアイデンティティーが問題だ。58歳の中年男の心を持ちながら32歳の女性として育児や仕事をするのはそれは大変なわけで。非現実的な設定ですが、彼女の(彼の?)葛藤が上手く描かれていて引き込まれてしまいました。なかなか面白かった。

2014/06/19

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