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邪宗門 下 (河出文庫)

邪宗門 下 (河出文庫)

邪宗門 下 (河出文庫)

作家
高橋和巳
出版社
河出書房新社
発売日
2014-08-06
ISBN
9784309413105
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邪宗門 下 (河出文庫) / 感想・レビュー

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こばまり

今はただ、どえらいものを読んでしまったという気持ち。これは小説であり思想であり観念だと思いました。発表当時、全共闘世代の学生がこぞって読んだというのも頷けます。作者高橋和巳の母が傾倒していた天理教を一部モデルにしているそうですが、現代に生きる我々には依然記憶に新しい、ある宗教団体を想起させます。

2015/11/12

ぐうぐう

ひのもと救霊会に対する集団、あるいは、教団内部の対立、それを『邪宗門』は徹底して描く。高橋和巳の凄いところは、対立する考えを、偏ることなく、公平に主張させている点だ。『邪宗門』が思想小説と言われるゆえんが、ここにある。日本の現代精神史をなぞりながら、架空の教団を借りつつも、すべての宗教に起こり得るだろう、教団の膨張と共に妥協を排除し、先鋭化した果ての姿をシミュレーションするという、壮大な思考実験の場なのだ、ここは。(つづく)

2017/07/10

たかしくん

年末年始を跨いで、漸く読了。下巻は、宗教なる1つの理想に向っていくことの狂気をこれでもかと描き続けます。上巻での理屈っぽい文体は減り、逆に思わず目を背けたくなる現実離れした場面も、まま現れてきます。思うに後半の主人公は、語り手でもあり幾分冷静な目線で接する「阿貴」ではないかと…。意外にも、前評判の(?!)千葉潔と行徳阿礼の究極の愛と狂気は、終盤の僅かに100ページにも満たずでした。とにかくもこの作品が、現代日本文学において「豊穣の海」に勝るとも劣らぬ、日本語の表現の極地を示しているものと確信してます。

2018/01/03

mm

作者あとがきより「発想の端緒は、日本の現代精神史を踏まえつつ、すべての宗教がその登場の始めには色濃く持っている(世直し)の思想を、教団の膨張にともなう様々の妥協を排して極限化すればどうなるかを、思考実験してみたいということにあった。…世人から邪宗と目される限りにおいて、宗教は熾烈にしてかつ本格的な問いかけの迫力を持つ宗教の意味と問題性を豊富にはらむ」これでテーマははっきりしてることがわかるでしょう。学生運動のバリケードの中で必死で読まれたらしい。下巻の流れは革命を叫んだ彼らの心情によりそっただろうな。

2017/09/11

taku

なんて凄い小説なんだ。神を信じていない三代目教主と運命を共にする宗教団体を、内外双方の視点を絡ませ、個人と組織を描く様は正に圧巻。国家に弾圧され、戦後反抗した教団が、自ら大日本帝国のミニチュアと化すグロテスクな類似性の悲劇。様々なテーマを含んだ重層構造の思想小説として、カラマーゾフの兄弟を想起した。キリスト教社会との世界観相違もあり、似て非なるものではあるが、その圧倒性は比肩する。

2016/02/14

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