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暴力の哲学 (河出文庫 さ 35-1)

暴力の哲学 (河出文庫 さ 35-1)

暴力の哲学 (河出文庫 さ 35-1)

作家
酒井隆史
出版社
河出書房新社
発売日
2016-01-07
ISBN
9784309414317
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暴力の哲学 (河出文庫 さ 35-1) / 感想・レビュー

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1959のコールマン

☆4。文庫の裏表紙の説明が内容と合わない。「暴力と非暴力を根底から考察し、それらをこえる反暴力をラディカルに構想する」とあるが、中身を読んでもそんなにスキッとしたものではなく、「なんとなくこんなんではないかな?」と読者に放り投げたような印象。論点もあっちゃこっちゃに飛ぶし・・・。「お前の読み方がなっちょらん」と言われればそうかもしれないが・・・。権力の「物理的強制力」から「民間暴力」まで幅広い「物理で殴る」ことをまず細かく論評し、その上でしち面倒くさい論理展開をしている努力は大いに買う。↓

2020/11/29

白義

暴力はいけないことだ、と誰もがいう。しかし、暴力はいけないことだ、という言葉は必然的に、だから暴力を振るうものに暴力を振るっていい、とか、暴力に訴える弱者は愚かだ、という抑圧の論理にもなりえる。暴力はいけないという思考停止を乗り越えて現代の暴力の諸相を分析する労作。テロリズムの分析で、テロリズムの生み出す恐怖を権力側は更に利用してその権力を増大させる、という分析は鋭い。恐怖が膨れ上がり、事なかれ主義的なシニシズムが支配する世界に反暴力という暴力の可能性を模索するスリリングな一冊だ。危うさはあるが必読だろう

2019/01/15

ネムル

こちらの知識不足か上手く内容を読み取れない点もあるのだが、いまの世の生きにくさと気持ち悪さが明瞭になる。良書。特に擬似非暴力社会を脱し、暴力/非暴力について考える/話し合うことが、暴力/生きる力の肯定を取り戻すことになる、という点で非常に有意義な読書だった。暴力はいけませんという毒にも薬にもならない金言で人民から巧妙に牙を抜く構図と、主権による暴力の独占、不可視な非暴力の具現化と後に消滅するものとしての暴力/反暴力の試みなどを興味深く読む。

2018/05/22

耳クソ

ブックガイドとしてなら多少は有用だが、マジでやるなら、もう勝手にしなさい。私は寝る。

2024/01/22

よきし

暴力の拒絶はかえって暴力を呼び込んでしまう、という問いから始まる暴力論。けっこう難しかったが、本当に刺激的な議論が展開され、暴力の構造、暴走、非暴力を制度に回収させないための反暴力という地平という視点まで含めて、大いに学びのある本だった。すぐに2周目に入りたいほど。ソローについての補論もよかった。生きるということが暴力からは逃れられないということをきちんと認めた上で、サパティスタが提示したように、アナキズム的に制度的暴力を解体していく方法を今こそ真剣に取り組んでいく必要があると痛感する。

2023/03/27

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