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法水麟太郎全短篇 (河出文庫)

法水麟太郎全短篇 (河出文庫)

法水麟太郎全短篇 (河出文庫)

作家
小栗虫太郎
日下三蔵
出版社
河出書房新社
発売日
2019-05-01
ISBN
9784309416724
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法水麟太郎全短篇 (河出文庫) / 感想・レビュー

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HANA

どの作品も『黒死館殺人事件』じみたペダントリーに満ち満ちていて、読んでいて嬉しいのだが非常に厄介。一応ミステリに分類されるのであるが、トリックがどれも形而上学的というか、それが著者独特の呪言じみた文体と相まって一種異様な独特の世界観を醸し出している。論理もある一点を超えると超論理的になるわけで。そこが寺社であろうと白系露西亜軍の聖堂であろうと病院であろうと、この地上ではない異界に作り替えられるのはやはり言語の魔術だよなあ。あと言葉だけではなく双生児や死蝋の作成、人体実験と内容もやはり悪夢じみておりました。

2019/11/13

TKK

法水麟太郎ものの短編集。黒死館殺人事件でみせた気が狂うような衒学的推理は、短編のためか多少わかりやすくなりました。事件を解くことが命で、犯人や被害者自体にさほど関心を示さないところが、らしくて好きです。高慢ちきちき最高!年代順に並べられてますが、やっぱり狭い空間が好きなので、前半の数編が好きです。

2019/08/05

歩月るな

数ヶ月かけて読む。作中で『ケンネル殺人事件』をさらりと引用してみせるあたり、リアルタイムで新作に親しんでいた俊英の迸りを感じて、憧れが高じてか『黒死館殺人事件』に繋がり広がって行く法水の活躍。泉鏡花あたりの方がよほど読み易いので、ああ虫太郎を読んでいるなあと身につまされる感覚が。奇想天外とは言え確かな語学力と知識の吸収力に裏打ちされた戦前の昭和初期の雰囲気と、海の向こうは探偵小説黄金時代の真っ只中と言う同時代性、歴史情勢などを勘案してみて、まさか言ってみれば逍遥言う所の『芸術的小説』の精華なのではなどと。

2020/03/14

Kotaro Nagai

本日読了。黒死館殺人事件で活躍した名探偵の短篇全集。初登場の「後光殺人事件」(昭和8年)から「国なき人々」(昭和12年)まで10作品を収録。密室ミステリーの「後光殺人事件」「夢殿殺人事件」「失楽園殺人事件」あたりはいかにもペダンチックで幻惑的な小栗作品の典型となっている。そこには、「そんなのあり?」というような法水しかわかり得ない独特の論法が展開され、ワトソン役の支倉検事でなくてもついて行くのが大変。でも、その反面不思議と魅了され、捨てがたい魅力がある。そんな小栗作品を楽しめる作品集となっている。

2019/07/11

コチ吉

大昔に読んだが全くチンブンカンだった「黒死館」がトラウマとなっていたが、短編集なので思いきって読んだ。ダメだ、分からん。衒学趣味はいいとして、ご丁寧に下手な見取図があるものの、犯行の詳細が描けない。まあ、それはそれとして小栗ミステリの香気のようなものは存分に味わえた。「潜航艇「鷹の城」」などは傑作だと思う。気を取り直しいつか「黒死館」を再び読もう。戦地へ赴く若者が聖書でなくこちらを携えたという天下の奇書である。

2020/05/24

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