KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

江戸の音 (河出文庫 た 14-1)

江戸の音 (河出文庫 た 14-1)

江戸の音 (河出文庫 た 14-1)

作家
田中優子
出版社
河出書房新社
発売日
1997-09-01
ISBN
9784309473383
amazonで購入する

江戸の音 (河出文庫 た 14-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

yoshi41101

外国に日本的なるものとは何かということを説明するときに感じる葛藤、どこまでが伝統か?どの地域の伝統をさすのか?いま我々が残したい継承したいと思うものが伝統なのか?アジア的なるものと日本的なるものとの境界はなんなのか?という田中氏の問いは難しい。日本の文化ってけっこうローカルで多様だ。外国の友人に日本のお土産を考えるときなんかこの葛藤が身近になる。尚、すこし感化されたこんど箏の邦楽を聴きに行くことにした。

2010/09/09

たらら

メロディーではなく音色を求める三味線のサワリ、破手。どこまでも風の音に近づく尺八。遠くから聞こえてくることを前提としたかのよな木遣り。そこには始まりも終わりもなく、流れにまかせて気付かないうちに曲がっていく路地のような日本の音文化があるのかもしれない……論証前の思い付きにすぎないが、江戸の音風景を想像させる指摘多数。時空間を想像する力量はさすが。

2010/05/31

NyanNyanShinji

著者の専門分野の国文学の視点から江戸時代の音楽を綴っている。お国の歌舞伎踊りなど初期の歌舞伎には、香を焚きしめた袖を振る事で、観客は音楽と舞と香りを同時に楽しんだのでは無いかとの仮説が面白かった。スクリャービンが目指した、音と匂いと舞踊の統合に近いものを感じた。あとは武満徹と著者との対談が白眉。特に武満が日本の伝統音楽に背を向けていたのだが、文楽の野澤喜左衛門の太棹三味線を聴いて衝撃を受けて考えを改めたとの発言にグッと来た。

2021/11/23

bittersweet symphony

著者は法政大学社会学部教授。以前から気になっていた学者のひとりですが、今回が正式な著作は初めてです(NHK人間大学のテキスト「山東京伝と江戸のメディア」は読んでいますが)。テーマは江戸時代を中心とした日本の音楽の有りよう、こういうテーマの本にありがちだと思うのですが、こちらのインフォーマルな音楽とあちらのフォーマルな音楽を比較して語る部分が多くてそれはちゃんと比較していることにならんだろうと思ってしまいますね。

2005/10/30

感想・レビューをもっと見る