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事件! :哲学とは何か (河出ブックス)

事件! :哲学とは何か (河出ブックス)

事件! :哲学とは何か (河出ブックス)

作家
スラヴォイ・ジジェク
鈴木晶
出版社
河出書房新社
発売日
2015-10-10
ISBN
9784309624877
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事件! :哲学とは何か (河出ブックス) / 感想・レビュー

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Bartleby

各章が駅に例えられているが、映画、社会的事件、俳句、ヘーゲル、ラカン、江南スタイル、安吾、シェイクスピアと話が次々に推移していくさまは、まさに流れる景色を窓から眺めているかのよう。「事件」という勢いに乗って進む過程は純粋に楽しいものの、振り替えてみれば、ざっくりした感想や断片的な記憶が残るばかりで議論を全体的に整理するのが難しい。ひとまず、気になった章(駅)に戻り、改めてゆっくり景色を見てみたい。

2016/02/17

またの名

在ブラジル日本人移民が祖国敗戦の報を連合国の陰謀だとしてアメリカの「敗北」を報じる偽の雑誌を発行したのは特に日本的なエピソードでなく、ワイパー付き眼鏡とかの役に立たない珍道具(と鎖国と福島)にこそ日本の独自性があると説く邦訳版序文を収録。珍道具のような下らないものに向けられた関心はむしろジジェクの独自性と言い直すべきで、普段の哲学的濃度の高い著作とは違った下らなさ炸裂が読みやすい。邦題や「超越」の訳語等が妙だけど、思想家の名が出てくるたび丁寧に註で説明をつけているいつもより一般向けの本としてはいいのかも。

2016/02/21

Z

今まで読んだジジェクの中で最大級の読みやすさ、少し変わった用語が出てくると本人の解説が続いて語られるため。だが柄谷行人が批判するようにaという人をうけbという人が出てきたときなるべくaの人をベースに論を展開すべきと考えるので(bの人はaを前提にして展開しがちで、内輪の人間しか通じない議論になりやすい)私はラカンニアンに少し否定的なうえに、革命を目的にする本なのでまず結論ありきなので全体としては、微妙な本だが、部分部分は勉強になる。存在論的=現実、世界そのものの出現を考察する立場、現在自然科学独占。超越

2015/11/22

Z

の主張というより願いで、それまで事件とは何かキリスト教、啓蒙主義、哲学、精神分析の物のみかたの変更というのをたどっている。革命うんぬんは、リアリティー持てないので、その部分は無視する他ないが、精神分析の知見がどのようにいかされるか、というのの応用例として読むのが一番の読み方かと思う。

2017/02/03

Z

事件とは何か、とりあえず原因と結果が不均衡で我々に驚きをもたらすものと暫定的な定義ののち、具体的な五つの事例を取り上げ分析していき、ラカン派マルクス主義者よろしく、左翼の停滞、革命が起こらないこと=事件の無効化と結びつけ話を終わらせる。クセのある著者だが、今まで読んだジジェクの本の中で最大級の読みやすさ。新しい言葉が出てくると著者の説明が入ってくるため。哲学や精神分析の物のみかたや、引用される著者の思想の勉強になる。結論はよくわからないが、打倒資本主義のために、ものの枠組みを変えることを願うというのが最後

2017/02/03

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