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成吉思汗の秘密 新装版 (光文社文庫)

成吉思汗の秘密 新装版 (光文社文庫)

成吉思汗の秘密 新装版 (光文社文庫)

作家
高木彬光
出版社
光文社
発売日
2005-04-12
ISBN
9784334738617
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成吉思汗の秘密 新装版 (光文社文庫) / 感想・レビュー

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Kircheis

★★★☆☆ 神津恭介を主人公とする歴史ミステリで、テイの『時の娘』の設定をそのまま転用した感じ。 「チンギス・ハン=源義経」とする説は江戸時代から唱えられており、この作品でも大まかな筋は先人たちの提唱した論拠によっている。最後の決め手が溥儀の姪の心中事件というのが新しいくらいだろう。 こういう史実に自分なりの考察を加える話は大好きだが、流石に空想と輪廻という霊的な思考をもって結論を導くやり方では説得力がないと感じた。 併録の短編『ロンドン塔の判官』も楽しい歴史ミステリだ。まぁこれもあり得ないが…

2021/02/16

chimako

高木彬光も神津恭介も知らず、ボリュームと歴史文献考察の長さに圧倒されて読み終える。義経には何の興味もない。悲劇の武将は何度も映像化され、その時々の若い美男俳優が演じてきた。ジンギスカンは義経だったという話は小学生の時父から聞いた覚えがあり、「へぇ~」程度の感慨があったのやらなかったのやら。実際のところは歴史を知らないこの無知な読者でさえ「ちょっと無理がある」と思わざるを得ないが、物語としては膨大な歴史資料の上に良く練られ面白い。しかし誰もが自慢気で辟易とする。書かれた時代もあろうが男性色が濃すぎて疲れた。

2021/08/20

ヨーコ・オクダ

ベッド・ディテクディヴで有名な「時の娘」のオマージュと言うてエエんかな?アッペで入院中の神津の暇つぶしとして「源義経=成吉思汗」説を検証していく。入り口は「なんか面白そう!」と思たんやけど、日本史知識はまぁまぁ&世界史と地理が苦手なワタクシには読んでいて挫折しそうな箇所もチラホラ。文学としての推理小説を超えて、歴史学の分野に石を投げ込んでしもたような…。でも、最後に仁科東子氏が発見した説をつけ加えたことでまた文学分野にウマいこと帰着。この作品に関するエッセイも収録されていて、そちらも楽しい。

2020/01/07

ま~くん

日本の歴史上の大ヒーローの一人、源義経と世界史で勉強したモンゴル帝国の祖ジンギスカンが同一人物ではないかという荒唐無稽なお話かと思いきや、ドはまりしてしまった。神津恭介程の天才が真っ向から挑んだこの謎解き。真偽は読者の判断任せになるが、読み物としては一級の娯楽作品。中国最後の清王朝迄がまさかね・・と思いつつ。中国は絶対に認めないと思うけど・・。私は一人二役説を信じたいなと。夢があるじゃないですか。本編終了後に、高木彬光とジンギスカンの対談が実現した時は興奮しました!

2020/08/05

ちゃま坊

「源義経がジンギスカンと同一人物だった」という怪しい伝説を、名探偵の神津恭介が病床で推理する。史実と史実をつなげて、すき間を作家の想像力で埋めていくのが歴史小説だとすると、推理小説の探偵がやることと似ている。史実からいかに離れるかというのも読者の楽しみ。井村博士らとの議論では古今東西のたくさんの歴史上の人物が出てきた。中学生のころに読んだ本だが、歴史の入門書となった一冊。モンゴル草原を馬で駆ける義経を想像するとなんだか楽しい。

2020/01/27

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