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新編バベルの図書館〈3〉イギリス編(2)

新編バベルの図書館〈3〉イギリス編(2)

新編バベルの図書館〈3〉イギリス編(2)

作家
ホルヘ・ルイス・ボルヘス
高松雄一
ロバート・ルイス・スティーヴンソン
出版社
国書刊行会
発売日
2013-04-01
ISBN
9784336055293
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新編バベルの図書館〈3〉イギリス編(2) / 感想・レビュー

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ぐうぐう

『新編 バベルの図書館』第3巻は、イギリス編PART2。ボルヘスによるそれぞれの序文を読んでいても感じることだが、ボルヘスは、ただ単に奇妙で幻想的な話だという理由で、これらの作家のこれらの作品を選んでいるわけではない。怪異の奥にある真理であったり、世界の深淵を覗き込もうとする作者の企てであったり、そんなものが感じ取れる作品が選ばれている。この3巻には、5人の作家が収録されているが、イギリス人特有の生真面目さが、逆に幻想へとアクロバティックに転換する演出を最大限効果的に発揮しているように思う。(つづく)

2016/08/18

roughfractus02

自分の中の他者に出会うと古代は神のお告げと解し、近代は分身と捉えるようになった。前者は信仰によって畏敬の対象となり、後者は個人の信念によって排除できない異物と見なされる。本巻では、一人の男の善悪の葛藤(「マーカイム」)、何か恐ろしい罪で殺されて悪夢の中にいる私(「潮が満ち引きする場所で」)、人でないものたちが出現する世界(「黒い石印のはなし」)、民の苦痛を直接感じる体を持つ王(「ペルシアの王」)、欲望に導かれて辿り着く地獄(「ヴァテック」)に見出される。個人の棲む現実こそ夢なのだ、と虚構は物語の中で囁く。

2020/03/09

gu

千一夜物語の挿話のようなベックフォードの『ヴァテック』は、登場人物の仰々しい言い回しや言動のわざとらしさにうんざりするが、悪行の限りを尽くすパワフルな太后のおかげで飽きずに読めた。科学や数学を言葉だけで表現しようとするヒントンは叢書全体でも異彩を放っている。二次元空間に住む三角形たちの生をしつこく論じた『平面世界』等、こんな作品は初めてだ。しかし読むのがしんどかった…。

2013/08/06

Susumu Kobayashi

イギリス篇の2巻目。いかにも編者ボルヘス好みの作家が収録されているが、とりわけヒントンという珍しい作家を収録しているのが特徴的。「平面世界」などは理系の論文を読むような趣があり、丁寧に追っていかなければわからなくなってしまう。「ペルシアの王」は前半が寓意的な小説で読みやすく(イエス・キリストをペルシアの王に見立てて書かれたのかと思った)、後半では小説がエネルギーを題材にしていたことが明らかになる。恥ずかしながら「ヴァテック」は今回初めて読んだ。太后カラティスのキャラが強烈。高橋葉介が漫画にしたらぴったり。

2014/11/07

くろさわ

イギリス編二部目。ヴァセックが面白かった。序文はいくらか続審問のものと被っている。

2013/07/08

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