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日本文化論のインチキ (幻冬舎新書 こ 6-3)

日本文化論のインチキ (幻冬舎新書 こ 6-3)

日本文化論のインチキ (幻冬舎新書 こ 6-3)

作家
小谷野敦
出版社
幻冬舎
発売日
2010-05-01
ISBN
9784344981669
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日本文化論のインチキ (幻冬舎新書 こ 6-3) / 感想・レビュー

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佐島楓

一面的なものの見方や、盲目的な西洋礼賛への批判など、納得することしきり。

2018/02/10

ふみあき

超歴史的な文化的連続性を前提としたり、また階級というファクターを考慮に入れなかったりする日本人論は全部インチキだ、という主張の本。よく言われる「日本語は曖昧で非論理的」なんてのもステレオタイプで、生成文法派のチョムスキーによると、あらゆる言語は普遍的な構造を有しており、だから日本語が他の言語に比べて特に難しいということもない。渡辺京二の『逝きし世の面影』を読んだ西部邁が、古き良き日本を思って泣いたという話も出てくるが、休日も福祉も医療もなくて、死ぬまで働き通しの前近代的の庶民の生活など悲惨としか思えない。

2022/09/16

金吾

痛快に感じる話と同じ穴の狢だと感じる話が混在しています。論文で地道な実証+おかしな意味づけ等は正にその通りだと感じました。個人にしても集団にしてもアイデンティティを保つためには他と違うことを強調するわりには独りよがりな部分が多いことや絶対的な真理はほぼないことから推察しますと日本文化論がある側面から見ればデタラメだと一刀両断できることは当たり前かなと思えました。

2022/01/21

harass

ベストセラーなどでよく見る日本文化論本についての批評。『日本は海外のと比べてああだこうだ』と主張する本を学問的な厳密さからみて作者の無知や思い込みや意図からのおかしさを指摘する。著者のほかの本と重複するところがある。「恋愛輸入品説との闘い」(恋愛は明治期に輸入されたのでそれ以前には存在しなかったという俗説への論駁)や小泉八雲の実像と評価などが後半中心。かれの新書にしては良いほうだと感じた。それでもサービス精神なのか余計な雑談のような散漫な部分や個人的な感情がむき出しの部分が多いのはいつものことだが。

2014/09/18

謙信公

「日本語は曖昧で非論理的」「日本人は無宗教」「罪ではなく恥の文化」など、日本人の独自性を説いた学問的根拠のない「日本文化論」本を徹底批判。ベストセラーになったり、名著と言われることが厄介なところ。これらの「日本文化論」は、西洋への憧れと自国愛との板挟みにあってすがる、というもの。本来、日本に生まれて日本語で育った人に「日本人としてのアイデンティティ」なんて関係ない。インチキ文化論の大本、歴史を法則化したヘーゲルは罪、ヴェーバーは宗教還元論者とバッサリ。著者お得意の恋愛論や裸体についても2章設けられている。

2023/09/07

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