宮本百合子名作ライブラリー 4
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宮本百合子名作ライブラリー 4 / 感想・レビュー
スリーピージーン
著者は相当なお嬢様でインテリだったらしい。昔は女子が学問にのめり込むと、アカになるなどと心配されたそうだが、このような天才肌の女流作家が見本だったのだろうか。よく「戦後の混乱を生き抜いた」などとひとくくりに形容されるが、これを読むと決め細やかな女性の心情が迫ってきて辛くなる。思想犯として囚われている夫を想い奔走する女流作家が主人公である。灯火管制が解除された喜びや、長旅をして夫の親族とふれ合う様子はとてもリアル。有名だが手が伸びなかった作家で、読んで良かった。ずっと読み継がれるべきだ。
2021/09/18
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