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死者宅の清掃 韓国の特殊清掃員がみた孤独死の記録

死者宅の清掃 韓国の特殊清掃員がみた孤独死の記録

死者宅の清掃 韓国の特殊清掃員がみた孤独死の記録

作家
キム・ワン
蓮池薫
出版社
実業之日本社
発売日
2023-08-03
ISBN
9784408650272
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死者宅の清掃 韓国の特殊清掃員がみた孤独死の記録 / 感想・レビュー

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fwhd8325

その人は確かに生きていた。様々事情により、最期は孤独な姿で迎えることになった。私自身もその可能性は高く、他人事ではない。自身が亡くなった後、どれくらいの費用がかかるかをたずねる人もいる。自死を考えている人からの連絡も、ある種想像を超えるものであった。今を生きている人と亡くなってしまった人との境はどこにあるのだろうか。衝撃的な内容だけど、そこに大きなドラマはありません。それだけに、リアリティを感じ深く残ります。

2023/09/03

NAO

孤独死する人のほとんどが貧困にあえいでおり、貧しさから逃れるために自殺するのだという。そういったもうどうしようもない状況にある人のところに届くのが、友人や家族からの援助や便りではなく、督促状や電気やガスの差止め通知だというのは、なんと悲しいことだろう。作者は、汚れた死の痕跡を消し自殺の痕跡を消しながら、その部屋で死ぬしかなかった人が最後に見たであろう景色を思いうかべ、その死を悼む。その部屋をきれいにし、死者の痕跡を消すということは、死者を死者が抱えていた悲しみから完全に解放するということなのかもしれない。

2024/03/18

つちのこ

国が変われど特殊清掃の現場は同様なので、グロく悲惨な場面の描写をある程度覚悟して読んだ。しかし内容はそちら方面に傾くこともなく、著者の人柄なのか、人を思いやる優しさと仕事への使命感、そして詩情をも感じる一冊だった。貧富の格差と学歴重視の異常な競争社会、そこからこぼれてしまい死を選ばざるを得なかった若者たちの亡き部屋。著者は他人の死を自分の死に重ね合わせてひたすら後始末をしていく。死に接した仕事が死生観を変えるのだろうか。池波正太郎の「人は死ぬために生まれてきた」という言葉を反芻した。蓮池薫の訳も良かった。

2024/03/07

Roko

人がやりたがらない仕事だけれど、でも、誰かがやらなければならない仕事、それに対して敬意を払ってくれる人もいれば、お金さえ払えばいいんでしょという態度の人もいます。 お葬式の費用の心配はするけれど、独りで亡くなったら、その後始末が大変なんだよということに気づいていない人が大勢います。病院で亡くなったとしても、家の後始末は本当に大変なんだから、みなさん、真剣に考えてください。この本の中に登場する家のようにならないように。#死者宅の清掃 #NetGalleyJP

2023/08/03

Kurara

★2.5 訳の意図なのか淡々と一人で亡くなった方の部屋を 掃除することが描かれたった印象。悲壮感はそう感じられなかったが、文体が読みづらく感じた。特殊清掃が仕事になるって複雑な世の中です。#NetGalleyJP

2023/09/14

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