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アーキテクチャの生態系: 情報環境はいかに設計されてきたか (ちくま文庫)

アーキテクチャの生態系: 情報環境はいかに設計されてきたか (ちくま文庫)

アーキテクチャの生態系: 情報環境はいかに設計されてきたか (ちくま文庫)

作家
濱野智史
出版社
筑摩書房
発売日
2015-07-08
ISBN
9784480431837
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アーキテクチャの生態系: 情報環境はいかに設計されてきたか (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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おさむ

まさに慶応SFC的な情報社会論ですな。ネトオタの著者らしく話はディテールが充実しており専門用語含めて色々勉強できました。主に2000年代以降のグーグル、ブログ、2ちゃんねる、ミクシィ、ニコニコ動画などのウェブサービスを、アーキテクチャ(環境管理型権力)と位置付けて分析する。独自の発展を遂げた背景には国民性や日本社会の特性があるとの指摘はごもっともで、日本のウェブ通史として貴重かも。ただ僅か10年前のこの本でも、現在のスマホの爆発的普及は予測できていなかった点に、ウェブ技術の未来予測の難しさを感じます。

2017/04/02

サイバーパンツ

複雑化するネット世界を一つの生態系の中に上手くまとめ上げている。Google、2ch、mixi、ニコ動、Twitterなど多様なメディアの特徴を的確に捉え、日本社会と擦り合わせた分析は素晴らしかった。また、文体だけでなく、行間まで読んだケータイ小説の考察や初音ミクのオタク的受け入れられ方による発展方法などのコンテンツ批評も見事。が、mixiやセカンドライフが完全に失墜し、FBが人気を博したように予想が外れ、古く感じる所もある。それでも、広大なネット世界を見渡す地図としては、今でも十分通用する名著。

2016/06/23

masabi

【概要】日米のwebサービスの背景にあるアーキテクチャに着目し、相互作用と盛衰を解説する。【感想】2000年代のwebサービスをアーキテクチャの観点から分析し、その栄枯盛衰を生態系になぞらえる。今でこそ感じないがグーグル検索の精度への衝撃やブログ登場時の電子公共圏に対する熱望といった当時の雰囲気の一端を知れた。日本社会の風土に合ったサービスが大きく伸長し、海外由来のものは文化の翻訳が求められる。技術と社会のどちらが優越しているのかについては両者が相互に影響を与え合う立場を取る。

2023/03/20

またの名

本書以降に著者がAKB信仰へ至った経過とかを気にしなくても楽しめる情報論の良書。米企業グーグルの検索アルゴリズムがネット環境に決定的な影響を与えた一方で、ひたすら内輪の繋がりのためにネタが投下される2ちゃんねるは一大勢力を築き、匿名空間の不安から逃れたい人々が足あとで充満した安全地帯ミクシィへと流れ、無法地帯の如きウィニーはくれくれ厨と「神」の葛藤を調停し、ニコニコ動画が新しい時間様式を発明した日本独自の生態系を描き出す。その後に続くツイッター、フェイスブック、読メ等の行方を考えるのにも必要な進化系統樹。

2015/10/26

しゅん

『恋空』の批評が一番おもしろいのは日本批評史を踏まえた本だからか。整理がクリア。「日本特殊論」の一典型。もちろん著者は日本文化の特殊化に慎重であり、そう明記もしているわけだが、それでも未来予測に傾きがでたという印象は強い。

2020/06/01

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