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J・G・バラード短編全集3 (終着の浜辺)

J・G・バラード短編全集3 (終着の浜辺)

J・G・バラード短編全集3 (終着の浜辺)

作家
J・G・バラード
柳下毅一郎
浅倉 久志他
出版社
東京創元社
発売日
2017-05-28
ISBN
9784488010607
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J・G・バラード短編全集3 (終着の浜辺) / 感想・レビュー

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かんやん

砂漠、海岸、廃墟……そこはかとなく漂う終末感。オブセッションに取り憑かれて破滅してゆく男、青白い肌のファム・ファタール、女ヴァンパイア=蛇女のイメージ。繰り返されると心底疲れます。妙な形容表現が多く、訳者は苦労しただろう。さらに描写の視点が曖昧で、比喩が凝り過ぎているものだから、風景やイメージが全然浮かばず、なんだかチグハグで読んでいてちょっとイライラしてくる。SF要素もいい加減。バラードはずいぶん昔に一冊だけ読んで、もういいやと思ったのも、そんなところに原因があったのかなあ、と。

2022/08/27

澤水月

本邦初訳、光り輝く男が後の傑作長編!63-66は何と豊穣なイメージ、言葉の魔力に満ちていることか。自転止まり時間と都市が二つ名の永遠の一日、“7時のコロンビーヌはいつも夕暮れだった”…素敵な冒頭!デルヴォー絵が登場(レオノール・フィニも忍ばせてると思う)…他にもベルイマン、ヒチコック、ダリなど割とまんまモチーフ明かす書き方だったと年代順読みで改めて思う。終着の浜辺、溺れた巨人などザ・バラード印作に限らずUFOコンタクティ、ミステリ、純然幻想耽美、先端医療悪夢、一発アイデアなど幅広い(名付けについてコメに続

2017/06/06

ニミッツクラス

17年の税抜3600円の初版。英国01年の『The Complete Short Stories』の98編を5分冊した3巻目で19編を収録。概ね『時間の墓標』『溺れた巨人』に収録。SFなのか?と疑問の湧く「浜辺の惨劇」は『死亡した宇宙飛行士』に収録。今回の目玉は初訳の「光り輝く男」。64年の『結晶世界』へ続く完成度の高い原型作で、これが初訳!って驚く。「深珊瑚層の囚人」「消えたダ・ヴィンチ」「火山は踊る」「夢の海、時の風」は本邦初書籍化。この4編はどれもバラード的で…ディックには書けない筆致。★★★★★☆

2019/05/13

rinakko

短篇集『溺れた巨人』が好きなので、再読も含めてとてもよかった。とりわけ楽しみにしていた初訳の「光り輝く男」は『結晶世界』の原形で、あっという間に本当にあの結晶世界へ連れ去られてしまう。やはり魅入られ戻りたくなくなった。再読で大好きな「永遠の一日」は、デルヴォ―の『こだま』の中へとさ迷いこむ読み心地。うとり。

2017/06/19

vaudou

これこそ時間を取ってじっくりと耽溺するに相応しい書物。『結晶世界』を再読したくなる、初訳『光り輝く男』が読める幸せ。

2018/01/31

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