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キャクストン私設図書館

キャクストン私設図書館

キャクストン私設図書館

作家
ジョン・コナリー
田内志文
出版社
東京創元社
発売日
2021-05-19
ISBN
9784488011093
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キャクストン私設図書館 / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

表題作の本好きが周囲に受ける対応(仕事でのブレイクタイムにも読書し、遠巻きにされる。恋人がいない事で妙な憶測を立てられるなど。要するに「読書家への白眼視」並び「変人」としての扱い)や多読でも創作はできない事の言及に「分かる!」と頷く事しきりでした。ここまで本好きが抱える周囲とのジレンマと擬態に言及した短編では『三月は赤き紅の淵に』収録の「待っている人たち」以来だわ!そしてあの人の運命を変えた優しさに安堵。後に皆川博子さんの書評集のあとがきでこの本のことが言及されているのを読んですっかり、嬉しくなりました。

2021/07/31

Panzer Leader

キャクストン私設図書館&書物保管庫、そこは有名作品の登場人物たちが実体化して生活しているという(但し作家がなくなった後で)本好きにとっては夢のようなファンタジー物。何故後期ホームズ物が精彩の無い作品が多いのか珍説が披露されていて楽しい。かと思えばラヴクラフトばりのコズミック・ホラー風の短中編ありとジャンルを超えた風味を堪能できる作品。

2021/08/17

けろりん

表題作を含む、四篇の中・短編集。いずれも、書物をテーマとした奇譚。本好きの夢が凝縮したかのような『キャクストン私設図書館』にはご縁があれば、是非訪れてみたい。と言うか、ご縁を繋げるくらいに作品と登場人物に真摯に向き合い、のめり込む読み手でありたい。『虚ろの王』は、10頁にも満たない作品だが、怪奇幻想的な物語の中に深甚な愛の悲しさと愚かしさが響く。『裂かれた地図書-五つの断片』は幻魔大戦。書物が、この世界の滅びを招じ入れる扉となるとは…!『ホームズの活躍』は、表題作と呼応するアイロニーが利いた作品。

2022/08/09

万葉語り

本の登場人物が暮らす秘密の図書館にまつわる表題作とその続編。世界を取り込もうとする本の化け物の描写が残酷かつ気味が悪い「裂かれた地図書」本には世界を変える力がある。紡がれた言葉は人の心の中で形を成し形を変えていく。面白くて読み耽った。おススメです。2021-072

2021/06/20

愛玉子

その図書館にはシャーロック・ホームズ、アンナ・カレーニナ、ハムレットなど、物語の登場人物たちが実体化してひっそりと住んでいるーーという粗筋に惹かれて借りてきました。最初と最後に置かれたキャクストン私設図書館の二篇は面白かったけど、これ『失われたものたちの本』書いた人か!あれ合わなかったわー。「虚ろな王」(『失われた〜』のスピンオフ)と、「裂かれた地図書」(クトゥルフ神話ぽい)の二篇は結構グロ、しかも「裂かれた〜」が一冊の半分以上のボリュームなんだから、そっちをタイトルにしてホラーと銘打つべきだったんじゃ…

2021/07/10

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