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危機と人類(上)

危機と人類(上)

危機と人類(上)

作家
ジャレド・ダイアモンド
小川敏子
川上純子
出版社
日本経済新聞出版
発売日
2020-10-02
ISBN
9784532199890
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危機と人類(上) / 感想・レビュー

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びす男

歴史に「物差し」を当てると、色んな教訓が見えてくる。ピンチに瀕した国はどう対応し、どんな結末を導いたか?7か国の事例を、12の側面から分析する■前半はソ連から独立を勝ち得たフィンランドと、明治維新の日本を扱う。独立のために言論の自由までも一部放棄したフィンランドの判断に感服。後半に登場するチリ(ピノチェト政権)とインドネシア(スハルト政権)における「内圧」の事例は悲惨で気が滅入る■認めたくない真実を直視し、譲れない点と改善点を線引きする……。国家を論じる起点に、個人の心理療法での議論を援用したのも面白い。

2021/03/04

はふ

これまでの歴史で、人類や国家に降りかかった危機について、12の要因のもと考察する本書。様々な国が取り上げられ、その国ごとの激動の時代をその場にいたかのようなリアリティで描かれている。危機という言葉は、マイナスのイメージで使われる事が多いが、危機は必ずしも悪いことばかりではない。むしろその国の転換点となり、国の新たな進歩へと発展するものとなる。 昨今では、新型コロナウイルスという、世界規模の危機が人類に迫っているが、この危機どう乗り越えて、次の時代の転換点とするか、そのヒントが本書には隠されている。下巻へ

2021/06/08

nagoyan

優。危機に直面した個人がこれを乗り越えるための心理療法から、国家的危機に直面した国家がその危機をどのように乗り越えることができるかを類推。その実例として、フィンランド、近代日本、チリ、インドネシアが上巻では取り上げられる。著者のように近代日本の歩みを単純に寿ぐ気にはなれない。また、著者の言うようには総合的でも、計画的でもなかったようにも思える。それでも、ペリー来航以来の外的脅威に対応する中で見事に自己変革をしてみせた先人たちの知恵と勇気は素直に評価してもよいのかなと本書を読みながら思った。

2020/12/17

ごん

国家が危機に如何に対応したか、明治日本やフィンランドなどの事例で叙述的に書かれています。いずれも歴史的に有名な「転換点」なので基本的な展開等については知っているのですが、ジャレドダイアモンド先生の巧みな叙述で改めて読むと、その危機のなか必死に生きていた人たちのことを考えてしまいます。(特にチリやインドネシアのケースは凄まじい弾圧や虐殺で危機に対応しているのでブルーな気持ちになります。改めて言うことでもないのですが、人間てなんて残酷な生き物なんでしょう。)引き続き下巻を読んでいきます。

2020/12/31

Mark X Japan

翻訳も良く,しっかり理解しながら読めました。日本の明治維新と第二次世界大戦の解釈は,世界を知る(実際の見聞)ことの大切さを説いていました。オンラインで多くのことが出来ますが,そうではない部分もかなりあると思います。チリとインドネシアは,歴史と政治の関わりについてとても参考になる事例です。世界史の教科書も,本著のようであったら,もっと深く理解できたと思います。☆:4.5

2021/05/08

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