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風と雅の帝

風と雅の帝

風と雅の帝

作家
荒山徹
出版社
PHP研究所
発売日
2023-09-15
ISBN
9784569855509
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風と雅の帝 / 感想・レビュー

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pohcho

鎌倉時代後期から室町時代。天皇の系統が二つに分かれていた南北朝の頃。六波羅探題と言えばヨウムのネネを思い出すが実は何なのか覚えてなかった私。鎌倉時代も大河ドラマで初めて詳しく知ったが、その後にあたるこの時代のこともほとんど知らなくて、後に光厳帝と呼ばれた方がこんなに壮絶な一生を送られたのかと驚くばかり。逃亡中、自分の目の前で武士数百人が切腹したり、拉致されたり幽閉されたり、天皇のイメージからはほど遠い波乱万丈さだった。筋トレで身体を鍛え、いつしかそれを心のよすがにされるところは現代人のようで親近感が持てた

2023/12/06

mahiro

南北朝動乱の中で翻弄され歴代の天皇の中からも抹消された薄幸の持明院統光厳天皇だが一人称で語られるこの作品の光厳は力強く運命をを生きていた。父や叔父からの帝王教育、北条氏に擁立されて10代で即位後醍醐によって廃帝となり、足利尊氏により復活して治天の君としての院政、勅撰集を編纂するもまた南朝に拉致され賀名生の幽閉生活目まぐるしい変転の中天皇とは何かを模索し続ける。弟との絆出家してからの修行、こんな行動的で熱い天皇だったのかな、面白かった。会話が高貴な人としては砕けすぎる感はあったが現代の読者の為敢えてかな

2024/01/27

空のかなた

残念ながら途中で離脱。面白くなかった訳ではない。南北朝時代の北朝側の帝「光厳帝」が主人公、のちの後醍醐天皇から「どんな天皇になりたいのか?」と問われ、「その時になったら考えます」と返答する気質など、さらりと素直な青年。生まれた時から帝になるのだという父親からの怨念のようなというプレッシャーを受けつつも、それに押しつぶされる事なかった。徳を積む、帝になる前にそれを心がける姿勢等、至極真っ当。なのに過酷な運命を辿る。再読したい。北条側の動きもあり「極楽征夷大将軍」を思い出す。

2024/01/24

歴代天皇にカウントされていない北朝の悲劇の天皇である光厳帝を主人公に据えた南北朝。荒山先生とくれば山風の再来の如き伝奇物ニンジャニンジャちょうせんちょうせんって来るかと思ったけれど、そこまでではなく。筋トレ大好き光厳帝が己なりの生涯を貫き通す姿が描かれる。帝も貴族も武士も裏切るけれど筋肉は裏切らない。後醍醐が帝とはと問われて「日本国のあるじだ」と答えたのに対し、光厳帝は「痩せ我慢だ」と答える。その人間臭さがたまらなく愛おしい。

2024/01/20

信兵衛

単なる歴史物語にとどまらず、現在の皇室にも繋がる歴史小説の逸品。是非お薦めです。 ※今上陛下が深い感銘を受けたと述べられていた「誡太子書」、叔父である花園天皇が皇太子である量仁のために記した書だそうです。

2023/10/15

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