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〔白川静の絵本〕サイのものがたり

〔白川静の絵本〕サイのものがたり

〔白川静の絵本〕サイのものがたり

作家
白川静
金子 都美絵
出版社
平凡社
発売日
2016-10-25
ISBN
9784582403398
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〔白川静の絵本〕サイのものがたり / 感想・レビュー

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mocha

サイは「口」の原形。クチの象形文字ではなく「祈りの言葉を入れる器」と解釈すると、派生した漢字の辻褄が合うと説く。文章がとても高尚で難しいところもあるのだけれど、金子都美絵さんの絵が理解を助けてくれる。漢字のひとつひとつから、古代人の祈りの物語が立ち上って来るようだ。大人のための美しい絵本。

2019/10/22

へくとぱすかる

漢字のもつ「意味」を、古代人の思考にそって解きほぐしていく。白川先生独特の展開は、読みながら古代の光景を現前させるかのようだ。金子氏のイラストも、自然への畏敬・信仰・呪術にみちた古代社会をみごとに象徴してくれている。「口」の形をした漢字の一部分が、実は祈りの言葉を入れた箱の象形であるという説は、合理的思考を背景とした淡彩の古代像を覆し、一気に宗教的な色彩感にみちた世界へいざなう。現代の漢字の意味と、似てはいるものの、何とその色合いの違っていることか。古代中国を角度をかえて見るための扉である。

2020/03/11

榊原 香織

漢字の起源はすべて神に対する祈りに繋がっている。 白川静ワールドを絵本に。

2024/04/12

紅香@新刊購入まで積読消化あと4冊⭐︎

従来、顔のパーツの口と考えられてきた口(サイ)は実は神に祈り、誓う時の祝詞を入れる器の形。。文字はあまりにも当たり前に存在する。が、ひとたび観点を変えると宇宙に広がる星座みたいで面白い。『ことばには空間も時間もない。ことばを文字として形象化することによって空間を持ち、持続する。もっとも重要なことはことばの持つ呪的な機能をそこに定着し永久化すること』先人たちが文字を持ちたかった動機は神と交信すること。彼らの祈りがサイに閉じ込められ現代にまで届けられた祈り。蓋を開く。そんなことを考えると感慨深い気持ちになる。

2017/10/01

鱒子

図書館本。象形文字から漢字への成り立ちを書いた本。カテゴリー的には絵本らしいですが、大人でも読むのにかなりのスキルを要求される本だと思います。なかなか難解。というわけできちんと理解できたと言えるのは半分以下(^_^;) 逃げ出さずに読了できたのはページ数の少なさと、金子都美絵さんの絵のおかげです。しかし、素晴らしく美しい本でした。

2017/01/09

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