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私たちはいつから「孤独」になったのか

私たちはいつから「孤独」になったのか

私たちはいつから「孤独」になったのか

作家
フェイ・バウンド・アルバーティ
神崎朗子
出版社
みすず書房
発売日
2023-11-20
ISBN
9784622096559
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私たちはいつから「孤独」になったのか / 感想・レビュー

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trazom

「近代の疫病」である孤独は、19世紀までは存在しなかったと著者は言う。「個人」というイデオロギーの台頭によって生まれ、新自由主義で拡大し、ソーシャルメディアの出現で深刻化したと。孤独は社会・経済・政治と結びつけて認識され、英国では孤独担当大臣が登場するまでに至る。社会的弱者が強いられる孤独への対応の必要性については共感するが、私は、孤独を、本来、人間にとって非常に大切な精神として、ポジティブに捉えたい思いがある。「いつから孤独になったのか」より、「いつから孤独を辛いことと思うようになったのか」と問いたい。

2024/03/09

オフィス助け舟

著者はイギリスの学者。イギリスは孤独担当大臣が設置されるほど孤独・孤立が社会問題化している国。ブレグジットの影響も個々人に影響しているのだろうか。著者の孤独に対する問題意識、危機感がひしひしと伝わる。孤独とともに生きた過去の作家のエピソード、SNSの影響、ホームレス問題など孤独に関する事象を広範に上げつつ、最後に孤独を再定義する。端的に言えば、「孤独は必ずしも疫病のような害をもたらずものではない」「むしろ自ら進んで孤独を選んだのなら有益で創造力の源泉にもなりうる」という。

2024/02/18

どら猫さとっち

人間誰しも、孤独になることが多い。愛しても愛されても、SNSでどんなにキラキラした写真や映像をアップしても、大切な人に先立たれても、忍び寄る老いやホームレスになった人たち。そんな人たちの、孤独と向き合う考察についての書。5年前に孤独問題担当大臣職を設置したイギリスで、多角的に捉えた本書。近代以降になって現れた言葉に、私たちはどう向き合い考えるか、語りかけてくる。

2024/04/09

right27

孤独が歴史的なものであること、単一ではなく複数の感情群であること、身体と結びついているが身体は軽視されていること、孤独をあらわすジェスチャーは存在しないこと、良い面も悪い面もあること。寡婦を取り上げた章で、孤独というより喪失の痛みという点で色々想起されて体がこわばる部分がいくつかあった。孤独によって自分が自分のありたい姿から離れていることが分かる場合も、ということを書いている箇所(結論の最後の方)が興味深かった。感情史という考え方(分野?)そのもの。感情は前言語がなく言語によってはじめて表現されること。

2024/03/21

shin

孤独が歴史的に作られてきたもの、ただ1人でいることとネガティブな感情を抱くことは別のことであることを明らかにしている。1人でいることのさまざまな側面を章を変えて示しているが、少し冗長にも感じた。また、訳が全く自然で、訳者の労力を察する。

2024/01/17

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