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ウクライナ、地下壕から届いた俳句 The Wings of a Butterfly

ウクライナ、地下壕から届いた俳句 The Wings of a Butterfly

ウクライナ、地下壕から届いた俳句 The Wings of a Butterfly

作家
ウラジスラバ・シモノバ
黛まどか
出版社
集英社インターナショナル
発売日
2023-08-25
ISBN
9784797674347
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ウクライナ、地下壕から届いた俳句 The Wings of a Butterfly / 感想・レビュー

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ちえ

シモノバさんは入院中の病院で14歳のときに俳句に出会ったという。それから眼の前の風景をロシア語で俳句にしていった「そこここに草の香立てて犬走る」「かたつむり大きな夢のありさうな」といった句が戦争を境に「真つ青な空がミサイル落としけり」「雨に転がる血まみれの小さき靴」と変わってしまう。俳句を読み続けることが反戦、という思いが伝わる。575の日本語訳は俳人黛まどかさん主宰「Haiku for Peace」プロジェクトのメンバーや趣旨に賛同したボランティアメンバーの協力。

2023/11/21

かふ

俳句が世界文学として詠まれているのは、ロシアのウクライナ侵攻でETVで両国の俳句を読んでいたが、その中に出てきたウクライナの俳人だった。戦時中に短い言葉でこれだけ表現できるのは凄いと思った。アニメとかそうだけど、こういう文化が世界に広がっていくことは喜ばしい。「地下壕に紙飛行機や子らの春」「地下壕に開く日本の句集かな」「いくたびも腕なき袖に触るる兵」「街の灯の消えハルキウの星月夜」多くの人の目に触れるといいと思う。

2023/09/23

スイ

「冬の星あふれて灯火管制下」 侵攻後もウクライナで俳句を詠み続けている、ウラジスラバ・シモノバさんの句集。 「老犬の瞳に映る月涼し 蜘蛛の巣に向かうの空よ明日は雨」 何度も口ずさみたくなるような句が、戦争に暗く染められてしまう。 「地下壕に紙飛行機や子らの春」 黛まどかさんを中心にした翻訳チームの真摯さに胸を打たれた。 シモノバさんが不安なく俳句を詠める日が1日も早く来ることを願う。

2023/10/19

石ころ

「私は本当の戦争を知らない」って思い知らされた。私たちの知っている戦争は、テレビ画面の向こうにある、遠くの出来事だ。 私も俳句を嗜む。ニュースで戦争のことを見聞きし、悲しい気持ちになる。そのことを句にする。すると「鉛色の空」とか「寒さ」とか、そういう負のイメージを伴った季語の力を借りてきて戦争に重ねる...みたいなことになる。 シモノバさんの俳句はまるで違う。 真っ青な空がミサイル落しけり よく晴れた気持ちのいい日だな、と思っていると、突然目の前で家が吹き飛ぶ。子供が殺される。これが本当の戦争だ。

2024/02/12

リリパス

14歳の時に、俳句の奥深さ・面白さ・楽しさを知り、実際に、俳句を作るようになった、ウクライナ人の女性の句集ですね。戦争の悲惨さが伝わってきます・・・。

2024/02/07

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