勿忘怪談 野辺おくり (竹書房怪談文庫 HO 525)
勿忘怪談 野辺おくり (竹書房怪談文庫 HO 525) / 感想・レビュー
夢追人009
実話怪談作家の新鋭、ひびきはじめさんの初単著の一冊は昔懐かしい田舎の風景が良く似合う一冊ですね。正直言って怖さはあまり感じませんが、こういう素朴な味の本も一服の清涼剤でたまにはいいなと思いますね。『どっからきたん』昭和の時代に近畿地方の田舎町で起きた話で、夏の良く晴れた午後に農業を営むAさんが息子と散歩していると幼稚園児の息子と同じくらいの年齢の男の子が田んぼ道に一人でぽつんと立っていた。この辺では見かけない顔で、息子が先に話しかけた。「どっからきたん?」「家。お兄ちゃんの自転車の後ろに乗せてもろて来た」
2022/05/04
HANA
実話怪談集。昭和を感じさせるレトロ怪談という惹句が目を引く本書だが、その名の通り怖いというより不思議な良い話を聞いているような感じを読んでいる間中受ける。ただ自分はノスタルジアを感じさせる話に弱いので読んでいて満足できるのだが、収録されている話自体も古いような気もする。例えば亡くなった息子がお盆にバイクのエンジン音で合図する、とか幼い日遊んだ子供の後ろに憑いていたものとか、いい話だけど話の内容自体が昭和というか。他の本に収録されていたら噴飯ものだけど、本書ならそれが受容出来る。うん、やはり独特の一冊だ。
2022/01/18
雨
怖いというよりどこか懐かしい気持ちになった。
2022/01/15
かおりんご
怪談。初読み作家さん。最近、この手の本を読むと、あれやこれやと分析しちゃうのが玉にきず。昭和が分かる世代には、怖さの中にもなんとなくノスタルジーを感じる気がするけれど、平成世代だとどう感じるのだろう。
2022/05/20
山田
お初の人だなと、思ったら著者初の単著でした。 何となく「たそがれ時」のような懐かしいような怖さが感じられました。田んぼに落ちたとか駄菓子屋とか押し入れなどなど、最近耳にしない言葉がそこかしこに。 最近の怪談も掲載されておりますが、昭和時代の怪談の方が印象が強いです。怪談のその後が分からなかったり考える材料が少ないからか、怖さ・奇妙さが際立つのかも…
2021/12/04
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