JUST IN SF
JUST IN SF / 感想・レビュー
白義
今、日本は猛暑の夏だがSF界も夏真っ盛り。酉島伝法や小川哲を始めとする現代SFの熱源たちをこれまた情熱的な文章で紹介した格好の現代SFガイド。SF性という言葉の重石も取れた現在、幻想文学や純文学も含めた周辺のジャンルからも積極的にSFを取り上げ、さらにそれらSF猛暑の夏の養分となった小説たちも「次に読む本」としてそれぞれのレビューの後に紹介している。いま一番面白いSFを読みたいなら本書を参考にしない手はない。中でも奮闘しているのはアンソロジー勢で、NOVAや創元年刊日本SF傑作選のパワフルさが実に頼もしい
2018/07/25
スターライト
出版されたSF(狭義のそれだけではなく、カバーしている範囲は広い)を見開き2ページでストーリーの紹介にとどまらず、その魅力、読みどころを丁寧に解説している。最初から通読しても良し、目次から気になる作家・作品から読んでも全然かまわない。また未読の作品だけでなく、既読の作品の部分を読んでも、必ず新しい発見があると思う。作家の簡単なプロフィールもあるので、そこからその作家の他の作品へと進むことができ、それも読んだという人には巻末に「次に読む本」が2冊紹介されている。これ1冊あれば次に読む本に1年は困らないはず。
2016/07/06
Sleipnirie
2010年代、今どきの新作SF(あと広い意味でSFに思える幻想・ミステリ)小説の面白さを語る書評集。 大森望や中村融などのアンソロジー、エマノンシリーズ、ミエヴィルの怪物とオカルトの小説『クラーケン』、法月綸太郎とか中身気になってるのいろいろあってよかった。 書評本文の後ろに次に読むとおもしろい本を載せてる。
2016/11/19
タケミチ
WEB本の雑誌で連載されている『今週はこれを読め!SF編』を単行本化したもの。扱っている期間は2013年夏から2015年末の2年半くらいと短い。120本の中から100本を選んで加筆修正しているらしい。書籍化されたことで、WEB本の雑誌からバックナンバーは消されている。SFの時評なので基本的にはジャンルSFから作品が選ばれているけど、SF要素のある主流文学なんかもそれなりに多く扱われている。扱っている期間が短い分、ひとつひとつの内容は充実しており、読み応えがありますね。
2016/05/23
三谷銀屋
愛のこもった書評本はそれだけでも読み物として面白いですね。SF愛が行間から溢れ出る書評100冊分。私はSFに疎くて紹介されている本はほとんど未読なのだけど、すごく読んでみたくなった。読み応えがある書評は、見知らぬ土地への旅行ガイドブックのようでわくわくする。しかも、自分で本を選ぶ時はどうしても傾向やジャンルが偏りがちだけど、知識豊富な読書家の目線から書かれた書評を読むことで、世の中には自分の知らない物語の自由な世界が無限に広がっているという事が分かる。唯一の難点は、積ん読がさらに増えてしまいそうな事。
2019/01/08
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