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ジェノサイドの丘 下: ルワンダ虐殺の隠された真実

ジェノサイドの丘 下: ルワンダ虐殺の隠された真実

ジェノサイドの丘 下: ルワンダ虐殺の隠された真実

作家
フィリップ・ゴーレイヴィッチ
Philip Gourevitch
柳下毅一郎
出版社
WAVE出版
発売日
2003-06-01
ISBN
9784872901597
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ジェノサイドの丘 下: ルワンダ虐殺の隠された真実 / 感想・レビュー

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姉勤

ルワンダにおいての虐殺を停めたのは、国連軍ではなく、西側でいう反政府ゲリラであった。虐殺側のフツ族は難民として国外に去り、そのキャンプ地において、また帰還事業においてルワンダにおける死者数を上回る犠牲を出した。国際社会という名の、強国の利害は虐殺を無視し、そして加害に加担した。あとがきにもあるが、当時の国連高等難民弁務官は日本人女性。彼女の活躍を好意的に報道していた記憶がある。確かに救うに値しないアフリカの野蛮人と、関わりを持って自国に損失を出さなかった事は、賛美に値するだろう。残念だが、これが世界だ。

2021/06/05

koba

★★★★☆

そのあとに続く

再読;『ゴキブリ』『キャベツ売り』『奴らを抹殺する』政府主導の虐殺も反政府との一時停戦が結ばれる。それはなにも国連が有効打を打ったとは言い難い。難民として隣国に辛うじて辿り着いた人々も、そこには同じ“ルワンダ人”として難民キャンプに入れられ暴力が待っている。強いPTSDに悩まされる生存者、犯した殺人を正当化しながら逃げる者。規模としては前代未聞だが、民族浄化の名のもとの虐殺は初めてではないし、これが最後になるかは疑問が残る。

2015/02/07

梟をめぐる読書

虐殺それ自体は言わずもがな、事後の経過があまりにも悲しい。曰く、ツチ族はジェノサイドの怨みは一日も早く「忘れて」、国外逃亡したフツ族難民と「仲良く」手を取り合い、そして「明るい」ルワンダの未来を築いていこうではないか、と……。いったい、なぜ家族や友人を奪われたツチ族生存者がテロを企てる「危険分子」のように扱われ、かつて殺人を犯したフツ族が復讐に怯える「かわいそう」な対象として国際的に匿われなければならないのか。本文中の「ジェノサイドはまだ終わっていない」という言葉が心に残る。

2011/10/16

kanaoka 56

ルワンダ紛争がルワンダ愛国戦線(RPF)の支配権獲得により落ち着くかに思われたものの、ジェノシダレ(虐殺者)とそれに連行された大量のフツ族難民がザイール(現コンゴ民主共和国)難民キャンプへ逃れ、国際援助の力も借りて、フツ至上主義者による残虐な攻撃は継続される。そして、これがコンゴ紛争へと引き継がれ、さらなる多大な犠牲者を生む。復讐は復讐を呼ぶ。単に復讐を止めても、それは水面下に隠れ、また吹き返す。求められるものは、たとえそれが一方的なものであったとしても、強烈な「正義」の裁きが必要に思える。

2024/04/17

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