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世界の果て、彼女 (新しい韓国の文学 10)

世界の果て、彼女 (新しい韓国の文学 10)

世界の果て、彼女 (新しい韓国の文学 10)

作家
キム・ヨンス(金衍洙)
藤井久子
鈴木千佳子
呉永雅
出版社
クオン
発売日
2014-02-25
ISBN
9784904855218
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世界の果て、彼女 (新しい韓国の文学 10) / 感想・レビュー

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アマニョッキ

オ・ヨンアさん(翻訳)で検索して出会った一冊。『世界の果て、彼女』『笑っているような、泣いているような、アレックス、アレックス』『記憶に値する夜を越える』収録7編とにかくどれもタイトルが素晴らしい。もうタイトルだけでもこの作品に出会えたことに感謝したいぐらい。全体を通して他者への愛を諦めないこと、努力すること、想いを馳せる強さが描かれている。あまりに美しい文章やなと思っていたら作者は詩人だそう。納得。『次に行ったコメディアン』は全ての小説好きに読んでほしい傑作。永遠にこの余韻にひたっていたい感じ。

2022/07/04

星落秋風五丈原

韓国にもいたかムラカミハルキ!みたいな短編集。新婚旅行にソウルにきている日本人のハトコを案内する、30歳になったばかりのアタシ『君たちが皆、三十歳になった頃』は南山タワーなど旅行で行った所が出てきて懐かしかった。

2017/08/16

ケイティ

詩人としてデビューしたキム・ヨンス氏の7作の短編集。村上春樹を彷彿とさせるが、より難解というか分かるようで分からない。なのに、なぜかこの曖昧で詩的な文章に理解を超えて追いかけたくなる。たびたび日本の場所や話題が出てくることもあるが、俯瞰なようですぐそばで語りかけられているかのような不思議な距離感。読む人それぞれの中で余韻と余白が広がり、自分だけの物語を再構築していく醍醐味があります。平野啓一郎さんが綴った本作のレビューも良かったです→https://k-book.org/yomeru/20190527/

2022/06/18

kaoriction@感想は気まぐれに

たとえわかりあえなくても。忘れられない夕陽があれば。「僕たちは努力をしなければ、互いを理解することはできない。愛とはこういう世界に存在している」「他者のために努力するという行為そのものが、人生を生きるに値するものにしてくれる。だから、簡単に慰めたりしない代わりに簡単に絶望もしないこと」。恋や愛を、思いを、分かち合えない思いを、分かち合うこと。7つの短編集。表題作と「君が誰であろうと、どんなに孤独だろうと」「休みが必要」「君たちが皆、三十歳になったとき」が好み。分かち合えなくても。同じ世界で生きてゆく。

2020/10/06

かもめ通信

7つの作品が収録されている短編集。いつもながら、キム・ヨンス。語り口はやさしく詩的で、お気に入りのフレーズをいくつも抜き書きできそう。考えてみれば、自分自身のことだってよくわからないのに、なぜ他人の気持ちがわかったような気になったりするのだろう。相手のことをこうだと思いこんで、それ故にすれ違う。どうしていつも、そんなことを繰り返してしまうんだろう。頭の片隅でそんなことをぼんやりと考えながら、物語を読む。とてもせつなくて、読んでいると、なぜだか少しやさしくなれる気がする。

2022/09/26

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