被災物 モノ語りは増殖する
被災物 モノ語りは増殖する / 感想・レビュー
かりん
4:《被災物とそこから生まれる語り》リアスアーク美術館に展示される被災物には、語りの文章が添えられている。それは元の持ち主によるものではなく、被災物を前に湧き出てきたエピソードや言葉である。つまりはフィクションだが、被災物に圧倒的なリアリティを与えている。文筆家や音楽家などが自らも被災物を前に語るワークショップを開催。その活動を中心にまとめられた書籍である。震災に一つの真実があるのではなく、それに直面したり触れたりしたことで生まれる思いが大切という気づきを得た。風化を止めるにはむしろそれが必要なのだと。
2024/03/08
感想・レビューをもっと見る