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花筐: 帝都の詩人たち

花筐: 帝都の詩人たち

花筐: 帝都の詩人たち

作家
久世光彦
出版社
都市出版
発売日
2001-07-01
ISBN
9784924831971
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花筐: 帝都の詩人たち / 感想・レビュー

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更夜

東京が「帝都」と呼ばれた頃の詩人たち、8人について語る久世光彦さんの堅苦しく言えば詩論。とはいえ、北原白秋といった有名所から私は初めて聞く今は昔の詩人まで、久世さんが愛唱していたたくさんの詩が紹介されます。明治の終わり、大正、昭和の始め・・・帝都を愛した詩人たち。老作家はいるけれど、老詩人というのはいない、と書かれているように、夭折が代名詞のようになっている詩人もいれば暗く書かれがちな中原中也を明るい無邪気な子供としてとらえる独特の感性をお持ちです。詩人になれなくても詩を愛する気持は人一倍ですね。

2015/09/26

九鳥

図書館本。八人の詩人の歌を三編ずつ紹介しながら紡がれる、感傷的で抒情的な随筆たち。これぞ久世さんの真骨頂。紹介されているすべての詩を音読していたせいか、読み終えるまでにとても時間がかかったけれど、七五調の音の響きの美しさを再発見した。三好達治の「乳母車」と萩原朔太郎の「天上縊死」を好きになった。

2009/03/16

せっぱ

8名の近代詩人の作品が紹介されている。詩人たちが生きた時代の帝都のイメージが鮮やかで、夢想の世界に遊ぶ感。北原白秋「たんぽぽ」、三好達治「乳母車」、佐藤春夫「秋刀魚の歌」、伊藤静雄「水中花」など、繰返し読みたくなる作品に出会えた。近代詩は言葉使いが難しく、読みこなせないという先入観があったが、選者の経験や時代背景とともに語られると、ある瞬間にすっと言葉が意味を持ち、作品の世界が目の前に現れるようだ。作家を題材にした著者晩年の小説を読んでみたくなった。「一九三四年冬―乱歩」から再読しよう。

2014/06/21

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