『バチェラー・ジャパン』シーズン4 黄皓さん&秋倉諒子さんが、本に込めたこだわりは? 過去のいじめの経験も綴る

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公開日:2023/1/15

 恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』シーズン4でめでたくカップルとなった4代目バチェラーで実業家の黄皓(こうこう)さんとモデルでパーソナルトレーナーの秋倉諒子さんが、それぞれ初の著書を出版。黄さんは自身のコンプレックスや困難を乗り越えた経験や方法論を明かした『異なる勇気』(KADOKAWA)を2022年10月20日に、諒子さんは普段から心がけて実践しているルーティンを紹介した『輝く太陽マインド 自信をつけて人生を変えるハッピールーティン』(KADOKAWA)を2022年10月26日に上梓した。

 二人とも、それぞれが独立して執筆していったという著書だが、どちらも「少しでも読んだ人のためになるように」との思いが込められていて、すでに多くのファンから「ためになりました」「ルーティンを実行しています」との反響が寄せられているという。そんな自著についての思いや、裏話などを伺った。

(取材・文=松山ようこ 撮影=後藤利江)

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――諒子さんの『輝く太陽マインド』は、肩甲骨ストレッチや呼吸法など、すぐに実践できることも多く、とてもためになることが多いと感じました。私も実行するようになって違いを感じています。ありがとうございます。そもそも、こうしたルーティンはどうやって生み出されたのでしょうか?

諒子さん パーソナルトレーナーとしての基礎もありますが、元々いろいろと生活の基盤としてやってきたものでもあるんです。基本的な「お風呂に浸かる」から、もっと具体的な呼吸法とかもあったんですけど、入り切らなくて端折らせてもらったぐらい。

 私のなかでは、普通のことと思ってやってきたことが皆さんに役立つことだったみたいで、本当に今もたくさんの方々から「ルーティンを実践しています」っていうお声をいただいて、すごくありがたいし、嬉しく思っています。

――どういった思いでルーティンを紹介されたのでしょうか?

諒子さん 生活していると、どこかで生きづらさを感じることは多いですよね。私は元々が完璧主義なんですが、いつも何かしら「もっとこうしたい」「こうありたい」と思ってきたんです。それを生きやすさに繋げられたらと思いながら綴りました。

 トレーナーとしての知識も含めたんですが、やっぱり人間の基礎は「呼吸」にはじまるんですよね。リラックスしようとしても緊張しやすいんです。それに今、世の中にはハードワーカーの方たちが多いので、少しずつでもいいので生きやすくなればいいなと思って、普段から私が実践してきたことを伝えさせていただきました。

――モデルとしても活躍されているので、写真での自己表現も得意かと思います。でも、著書に写真は多くありません。なぜでしょうか?

諒子さん 素敵な写真をいっぱい撮ってもらったのですが、写真集にはしたくないという思いで5枚だけ厳選しました。というのも、やっぱりマインドを伝えていきたいなというのが先にあったので。落ち込んだりしている時に、私を知らない方にも手に取っていただきたかったので、顔写真は入れたくなかったんです。

輝く太陽マインド
輝く太陽マインド 自信をつけて人生を変えるハッピールーティン』(秋倉諒子/KADOKAWA)

――著書は、帯には諒子さんの顔写真がありますが、外したら文字だけのデザインなんですね。

諒子さん そうなんです。帯は「いい写真ですから載せましょう」ということで採用になったんですけど、本当にこれも考えました。実際は、SNSやレビューで私を知らないという方が読んでくださって、「すごく良かった」という声もいただけたので、何よりも嬉しかったです。

――黄さんの著書にも、ポジティブになるための方法論がたくさん書かれています。経営者としてやっていく中で気づかれたことが多いのでしょうか?

黄さん 確かにそれはありますね。やっぱりいろんなチャレンジをする過程で、人に理解されないことが多かったですから。例えば、『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1(『バチェラー・ジャパン』シーズン4の前に男性メンバーとして参加)の時も、『バチェラー・ジャパン』シーズン4に参加したことも、人によっては「なんで経営者なのに、そんなことをわざわざするのか」とか「そこまでして結婚したいのか」とかっていう、賛同じゃない声もたくさん聞いてきたんです。

 でも結局、この世の中の全ての人間が「それいいね」って言う唯一の言葉とか行動って、たぶん存在しないなって思った時に、優先すべきは何かなと思ったらやっぱり「自分の心」なのかなと思ったんです。そういった経験もあって、『異なる勇気』を持ちましょうとタイトルに思いを込めました。

異なる勇気
異なる勇気』(黄皓/KADOKAWA)

 ただ、異なる勇気を持ちましょうっていうのは、なんか盲信的に「あなたは大丈夫だから気持ち貫いてね」みたいなメンタリティな話をしてるわけじゃなくて、異なるためには、他人の評価や他人の意見をどう受け止めて、どうそれを乗り越えていくかっていう、方法論みたいなのを結構変書きました。「ガッツで頑張ろう」みたいな本にはしたくなかったんですよね。

――著書には、子ども時代にいじめられた経験や太っていたコンプレックスを克服したことも書かれています。もう少し詳しく教えてください。

黄さん 来日した時は日本語がわからなくて、机に落書きされたりもしました。あと高校時代にも、たまたま友だちの好きな女の子が僕に好意を持っちゃったというだけで、仲が良かったグループみんなから仲間外れにされたんです。

 たくさん陰口を叩かれたり、標的にされたりしたのは、この時が初めてで。人生で一度だけ、自殺も頭をよぎりました。多感な時期だったというのもあると思いますけど、本当にしんどいなと思っていました。

――ご自身に非はなく、理不尽な理由でいじめられたんですね。

黄さん でも、僕は相手が悪いとは思わないようにしているんです。あの時、自分が何をしたら良くなったんだろうとか、相手の立場に立ってみて気に入らなかったことは何なのかを振り返るようにしてきました。

 事業でも同じで、「相手が悪い」「取引先が悪い」って言っちゃうのは簡単です。でもやっぱり他責って楽ですけど問題解決に結びつかない。僕はやっぱり問題の原因を特定したいので、合理的に考えても、自責の方がいいなっていうふうに考えています。

諒子さん その方が自分も成長できるしね。

黄さん そうそう、本当そういうことです。よくある話と思いますけど、部下を叱った時に「いやでも状況がこうだった、ああだった」って返されることってありますよね。僕はその状況を踏まえて何をすべきなのかっていうことにしか興味がないんです。

――経営者として孤独を感じることも多いと思いますが、著書には「僕はひとと信頼関係を築くまでに時間がかかるタイプだったけど、世界中でただひとり心の弱みを見せられるパートナーと出会ってからは、その存在に助けられています」と記されています。これは諒子さんのことですよね?

黄さん そうです。

諒子さん そんなこと書いたの?

黄さん うん、書いた。

――どのように助けられるようになったのでしょうか?

黄さん 僕はテレビにも出演するし、仕事で女性ファンと交流することもあるんですが、「経営者なのにテレビに出るな」とか「諒子がいるのに女性と!?」っていう批判もたくさんあって。でも、何をしようとも諒子は「ハオハオだったら絶対大丈夫」(ハオハオは黄皓さんの中国語読み)って言うんです。たとえ僕が「うちの会社ちょっと厳しい」と言っても、「ハオハオは大丈夫。絶対に会社は潰れないと思う」って、根拠なんてないかもしれないけど励ましてくれるんです。そうすると、こんなふうに言ってもらえるなら頑張るしかないなって思える。安心感もすごく与えてくれるんです。

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