andropが自身13枚目のアルバム『gravity』をリリース。成長、進化し続ける音楽――「絶対にいい曲がくる、そこに疑いはない」と語る4人の音楽制作とは〈インタビュー前編〉

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公開日:2023/8/23

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アルバム『gravity』をリリースしたandrop。写真左からベースの前田恭介、ボーカル&ギターの内澤崇仁、ギターの佐藤拓也、ドラムの伊藤彬彦

 幅広い音楽性とキャッチ―かつ上質なバンドサウンドで存在感を示し続ける4人組バンド・andropが、自身13枚目となるアルバム『gravity』を完成させた。

 ボーカル&ギターを務める内澤崇仁が作る色鮮やかで多彩な楽曲たちを、メンバーはどのような作業をもって形にしていくのか。その制作の過程から、来年デビュー15周年を迎える彼らの今後の展望までを前編、後編にてお送りします。

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ライブでしっかり伝わるもの、ということを一番に心掛けて作りました

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作詞・作曲を手掛けるボーカル&ギターの内澤崇仁

――まずは、「gravity」をアルバムタイトルにした理由を教えてください。

内澤崇仁(以下、内澤):“グラビティ”には、引力、引き合う力というような意味もあるのですが、音楽によって聴く人と僕らが引きつけ合うようなアルバムにしたいな、という想いがありました。それには『gravity』が一番いいと思ったんです。音楽で繋がれるものにしたいな、と。

――前作『fab』は昨年12月にリリースでした。制作としては、そこまで間をあけずにスタートしていると思うのですが、前作から今作に至るまで、何か意識したことやテーマはあったのでしょうか?

内澤:前作はもっとフリーなテーマで、サックスや鍵盤、コーラスというものにいろいろ手を伸ばして音像を作り出していきました。今回は、原点回帰とまではいきませんが、バンドだけで成立するようなもの、という意味合いを込めてギターを全面に押し出していったり、なるべく複雑にならないように、ライブでも直接的に伝わるようなものを一番心掛けて作っていきました。1曲1曲に向き合うという姿勢は変わっていないです。

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ギターの佐藤拓也

佐藤拓也(以下、佐藤):バンドサウンドに、というのは来年15周年ということも関係しているのかもしれません。ギターを全面に、というのはみんなで話し合って、そういうワードがポンと出ていたけれど、そこまで強く固定しないようにしよう、というのは話しました。

“ここはギターじゃなきゃダメだ!”みたいなことではなく、自然な流れでやっていったら今の形になっていました。『fab』のときからそういう片鱗は見えていたのかもしれませんが、『gravity』と聴き比べてみると全然違う印象だと思います。短い期間でしたが、バンドにもいろいろな変化があって、世の中的にも変化がある時期だったと思うので、そういう影響もあるのかなと思います。

――収録曲は、全て前作『fab』以降に作ったものなのでしょうか?

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ベースの前田恭介

前田恭介(以下、前田):『fab』のリリース後に作ったものがほとんどで、「Arata」の原曲が最初にありましたけど、この曲を元にアルバムを作ったわけでもなく、1曲1曲作っていきました。

内澤:「Happy Birthday, New You」と「Arata」が同じタイミングでレコーディングしていますね。