andropが自身13枚目のアルバム『gravity』をリリース。来年デビュー15周年を迎える彼らの変わらぬ関係性の理由とは――〈インタビュー後編〉

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公開日:2023/8/24

 オリジナリティーあふれる多彩な奥行きのあるサウンドで、音楽ファンを魅了する4人組バンド・andropが、8月23日にアルバム『gravity』をリリース。フロントマンである内澤崇仁は、コンポーザーとしても幅広い活躍をみせている。今年だけでも、「TikTok上半期トレンド大賞」を受賞した有華のデビュー曲「baby you」や、ビートたけし原作で二宮和也が主演する映画「アナログ」の劇伴など、話題の作品を多数手掛けている。バンドとは異なる音楽創作は、andropにどのような作用があるのだろうか。また、来年デビュー15周年を迎える彼らの関係性、さらに読書習慣まで話を聞きました。
アルバム制作に迫るインタビュー後編をお届けします。

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アルバム『gravity』をリリースしたandrop。写真左からベースの前田恭介、ボーカル&ギターの内澤崇仁、ギターの佐藤拓也、ドラムの伊藤彬彦

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「Cosmos」には、聴いてくれる人あっての自分たちだと思っているので、そういう想いを込めました

――サブスクや、いろんな音楽の聴かれ方をする世の中になっていると思うのですが、トータルで聴いても聞き心地のいい作品を、ということで曲順も考えられたのですか?

内澤崇仁(以下、内澤):どういったアルバムの流れにしようか、どういう聴かれ方をしたいのかももちろん考えました。

前田恭介(以下、前田):最後の曲(「Cosmos」)は、むしろそういう感じだと思います。最後にいくための曲というか。

内澤:あー、そうですね。より身近に感じてもらいたい、とかより身近で伝えたいという想いから最後の曲はこうしようと思いました。

――「Tokei」などもそうですが、この「Cosmos」のような内澤さんだけの曲というのは、どのような経緯で作られるのですか?

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楽曲提供、映画音楽なども担当する内澤崇仁

内澤:「Cosmos」に関しては、(劇伴を担当した)「アナログ」という映画の影響が大きいかな、と思います。劇伴の音楽は、アナログの良さや素朴だけどまっすぐな気持ちみたいなものを追求して作っていたんですけど、その延長戦上に近いものがあります。本当にいい曲は、アコースティックギター1本でもいい曲なんだろうなぁ、って。そういうものを作りたいなぁという想いもあって作りました。

――最初の2行の歌詞もとてもすてきだなぁと思いました。

内澤:ありがとうございます。聴いてくれる人あっての自分たちだと思っているので、そういう想いも込めました。

――映画音楽や楽曲提供などをすることで、書く言葉や自身が書きたい言葉などに変化はありましたか?

内澤:ありましたね。今作に関しては、ポジティブな言葉だったり、まっすぐな表現というものがすごく増えたな、という印象があります。多分、意図的だったりもするんですけど、ライブで歌ったときに聞き取りやすい言葉の方がいいだろうなと思ったりしますし、ライブで笑顔にさせたいという想いもあるので、ポジティブな感じに変わったんじゃないかな、と思います。

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