andropが自身13枚目のアルバム『gravity』をリリース。来年デビュー15周年を迎える彼らの変わらぬ関係性の理由とは――〈インタビュー後編〉

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公開日:2023/8/24

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andropのライブは照明や映像の演出もとても美しい

“個”が強いバンドにしたい、というのは結成当時から変わらないこと

――何度か15周年という言葉も出てきていますが、メンバーの関係性において、変わったことや変わらないことなどはありますか?

前田:変わってないんじゃないかな。

佐藤拓也(以下、佐藤):本質的には変わってないんじゃないですかね。やることとかは、環境などで変わってきていると思いますけど、4人の関係性ということでは変わってないと思います。

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――変わらない関係性というのは、とてもすごいことだと思います。ご自身ではなかなか言葉にするのは難しいかもしれませんが、ここまで続けてこられた秘訣などはあるのでしょうか?

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ベースの前田恭介

前田:言い方が難しいですが、何かあったときに、原因を自分たちの中に探さないということですかね。

内澤:“個”がしっかりしていると思うので、互いを尊重している、リスペクトしている感じはあります。

伊藤彬彦(以下、伊藤):でも全員“中2”ですよ。

内澤佐藤:全員そうだね。

内澤:そういう感じでやってますね。

伊藤:むしろ“中2”じゃないものは持ち込まないでもらっていいですか?みたいなところを僕はなるべく気を付けているつもりです。

前田:意図的にね(笑)。

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ドラムの伊藤彬彦

伊藤:ロックバンドをやっているので、なるべく“中2”にしたいな、と思っているんです。大人な会話は別にこういう集団じゃなくてもできると思うから。男が4人そろって“中2”の感じがなくなったらつまらないと思うので、なるべく残したいですよね。

――この15年は早かったですか?

佐藤:そうですね。

伊藤:個々はいろいろあったと思いますけど、早かったですね。目の前のことで必死なので忘れながら生きています(笑)。

――(笑)。忘れながら生きている中、恐縮ですが、バンドとして自分たちのターニングポイントや転機となった出来事などはありますか?

内澤:バンドで言うと、やっぱり自分たちの事務所というか、音楽を発信する場所を自分たちで作る、4人で作る、というのはターニングポイントだったのかなと思います。

そのときにバンドを辞めるという選択もあったと思うので。でも、自分たちが自由に表現するために、そういう場所を作ろうというところに行けたことは、一つターニングポイントだったのかなと思います。

佐藤:自分たちでやろう、ということに対して、そんなにもめたりもなかったし、流れるようにそうなっていきましたね。

――では、今後バンドとしてこうなっていきたい、など展望を教えてください。

内澤:15年やっていても、やれていないことはまだまだあるので、やりたいことはたくさんありますよね。海外でライブもレコーディングもしたことがないですし、アニメの曲をやるとかも経験していないですし。表現の方法もまだまだたくさんトライしたいことがあります。

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ギターの佐藤拓也

佐藤:そうですね。内澤くんと同じですけど、やりたいことはいっぱいあるので、そのためにもバンドを続けていないとできないですよね。結構、同世代のバンドやアーティストの中には、道半ばで諦める人も少なくなくて。そんな中、僕らは続けられているので、これからも頑張って継続していきたいです。

前田:続けるということですね。それに尽きるかなぁと思います。続けるためには、音楽を楽しくやっていくことだと思うんですけど、そのためには研鑽も積んでいかないといけないし、僕らは新しいものを取り入れがちなので、それらに対応する柔軟性も必要かなと思っています。

内澤:そういう新しいものをバンドに一番入れてくれるのは前田くんですよね。音楽のジャンルもそうだし、見せ方、MVの監督さんとかも。

前田:飽きないためですよね。飽きないために努力をすべきだと思います。

伊藤:みんなの言う通りだと思うんですけど、“個”が強いバンドにしたい、というのは結成当時から変わらないことなんです。それぞれに練習するのもそうだし、いろんなことを経験してきて、おのおのがちゃんとバンドに何かを持ち帰ってくるような音楽家としての研鑽を積むこと、それを続けていくこと。あとは、内澤くんがもう曲を作りたくないな、と思わなければ続いていくと思っています(笑)。

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