高田純次スペシャルインタビュー Vol.3「仕事」

スペシャルインタビュー

更新日:2013/4/8

「よろしくお願いします」ってすばらしい“適当語”。
これさえ言っていればなんでもうまくいくよ

僕の場合、仕事のスタイルは基本“投げ捨て”なんだよ。
見てればわかるって? 
ですよねえ。
ネタを書き留める人も多いけど、
そればっかり意識しちゃいそうで。
だから、番組のロケとかでも、
内容を知らないままやったほうがテンション上がるんで、
教えてもらわないようにしたり。
「台本は読まない」って言い訳にもなるしな。便利だね。
こないだも、内田裕也さんと番組でお会いする機会があったの。
初対面だったんだけど、事前に挨拶とかしちゃうと
おもしろくなくなるかもしれないなあって、
なんの挨拶もなく、そのまま本番。
そのほうが緊張感もあるし、なにより楽しい。
ドキドキ感があるほうがアドレナリンも出るし。
その日はアドレナリン、結構出たと思うよ。

よく、芸能界は上下関係に厳しい世界だって言われるでしょ。
たとえば、事前に楽屋へ挨拶に行くのが大事だとか。
やっぱりそういうのを大事にしている人も多いし、
若いころは、自分も先輩には挨拶に行ったりしてたけど、
だからって「必ず来い」なんて思わない。
あんまり興味がないの。
まあ、芸能界に限らず、
「礼儀がなってない」とか「辛抱が足らない」とか、
いつの時代も若者が浴びせられる言葉があるけど……
近ごろは「ゆとり教育のせいだ」とか言われちゃってるの?
でもさ、僕たちは逆に、
ゆとりがない教育を受けてたのかもしれないよな。

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たしかに挨拶は仕事うんぬん以前の、
常識の問題だと思うんだけど、
日本にはすごく便利な言葉があるじゃない。
「よろしくお願いします」
っていうさ。
アバウトでさ、日本人らしいよねえ。
どんな場面でも使えるし、オールマイティでしょ。
これ、すばらしい言葉だよ。
適当語としてさ、これさえ言ってれば
なんでもうまくいくって思うんだけど。
……俺に言われても説得力がない?

ですよねえ。

Vol.4「人生」の更新は9月22日(木) 夜です。

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取材・文=岡田芳枝 写真=相馬ミナ