来栖りん「ハピ♡ラキ」制服衣装がきっかけのセカンド写真集。ストイックなアーティスト活動の合間に生まれた“息抜きのようなカット”を本人が語る!

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公開日:2024/4/1

来栖りん

 声優・アーティストの来栖りんが、3月12日、約4年ぶりの写真集「step by step」を発売した。台湾で撮影された本作は「ホームステイ」をテーマに学生時代へタイムスリップしたようなカットが満載となっている。

 声優・ソロアーティストとして活動を始めて1年。「自分により厳しくなった感じがする」と語るなかで、自然な表情を収めた本写真集は、来栖さんにとってどんな存在になったのだろうか? 本人にお話を聞いた。

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台湾の「湿度を感じる空気感」にマッチした

――写真集「step by step」が発売となりました。今のお気持ちはいかがですか?

来栖りん:写真集を出させていただくのはすごくひさしぶりで。前回のフォトブック(2022年発売の「りんとして。」)はいろんな企画が入っていて、見ていてワクワクするような一冊だったと思うんですけど、今回の写真集は普段見せないような素の自分といいますか、キメっぽいカットもあまりないような、“今撮ってもらう”って思いながら表情を作ることがほとんどなかったんですね。

――来栖さんのナチュラルな表情をメインに撮っていかれたと。

来栖:カメラマンさんも、ずっとお世話になっている細居幸次郎さんに撮影していただき、そういった意味でも私の素っぽい表情がたくさん出せたと思います。ちょっと恥ずかしいなという部分もありますけど、すごく新鮮でうれしかったですね。

来栖りん

――そうした「素の表情を見せる撮影」というのは事前に聞いていたんですか?

来栖:前に写真集を出したのが十代の頃だったので、撮影前は「今はどんな感じのものを求められているんだろう?」って、結構ふわふわしながらロケに行ったんですけど、撮影の頭ぐらいに別に細居さんから「普通でいいかな」っておっしゃっていただいて。「笑ったりしなくていいよ」みたいなことをさっとひとことだけ言われたときに、「そうだった、細居さんとはこういう撮影だったな」って思い出して、そこからはもう好きにやりましたね。「笑って」とかもひとことも言われなかったし、逆に笑っているときはもう自分で本当に面白くて笑ってましたし(笑)。

――本作は台湾でのロケとなりました。台湾は初めてだったんですよね?

来栖:そうです、初めて行かせていただきました。私のなかでは、台湾って南国のような暖かいイメージがあったんですけど、(2023年)11月頃の撮影で日本との気温も意外とそんなに変わらないかな?って気がしました。なんならちょっと寒かった気がします。

――南国ではあるけど、南の国のリゾート地というのとはまた違いますよね。

来栖:あと私、以前から写真を撮るときに「グアムとかハワイじゃないよね」ってめっちゃ言われるんですよ。「私だってビーチで水着でキラっと笑顔! みたいなやつやってみたいのに!」って思っていたんですけど、今回もロケ地が台湾と言われて「なるほど、そういうことか」って(笑)。こうして一冊とおして見ると、やっぱり台湾はすごくマッチしていて、湿度を感じるような空気感は自分でもいいなって思いましたね。

来栖りん

写真集は「ハピ♡ラキ」MVがきっかけ

――学校のカットでは制服を着ていましたが、制服を着ての撮影はいかがでしたか?

来栖:去年9月にリリースした1stミニアルバムで、制服でMVを撮ったんですけど、実はそれがきっかけで今回写真集が企画されたみたいなんですよね。MVを観たスタッフさんが「これで写真集つくろう」ってなったそうです(笑)。

――まさに「ハピ♡ラキ」のMVでも、プールのなか制服姿で撮影されていましたね。

来栖:それもあって制服と結びつくことが多いなっていうのは前々から思っていましたね。衣装でも着ることがとっても多いので、そこは親和性が高いと思っていただけているのかなと。

来栖りん

――本作でも「ハピ♡ラキ」を彷彿とさせるプールサイドでのカットがあります。

来栖:激寒でした! そこで寒そうに見えないようにするのは大変でしたけど、結局寒すぎて「まだかな」って超不服な顔していて、まさかそのときの写真が採用されるとは思わなかった(笑)。

――あきらかに寒そうな表情をしていますね(笑)。それもまたナチュラルな来栖さんといいますか。

来栖:そうですね。例えば、このコンビニのお菓子を持っている写真も撮影中に撮ったものじゃなくて、メイクが終わったときに「来栖!」って言われて、「はい!」って振り向いたときの写真で(笑)。それぐらいの、友達が撮ったみたいな距離感の写真集だなって思うので、ぜひ友達感覚で見てほしいなって思いますね。

――なかでもお気に入りのカットはどれですか?

来栖:黒い衣装のカットですね。黒の衣装って普段あんまり着ることがなくて、撮影でもあまり選ばれることがないんですよ。リリースイベントとかでもほとんど選ばれないですし。それもあってこれを着たのは自分でも意外だったんですけど、何着も着る写真集だからこその衣装かなって思います。

来栖りん

「リラックスしてやっていかなきゃだよ」と教えてくれる一冊

――またこれが、昨年声優アーティストとしてあらたな一歩を踏み出したあとに生まれたものという点でも大きな意味を持つのかなと。

来栖:そうですね。昨年から声優と歌手での活動を始めて、自分のなかでの好きなことであるがゆえのハードルの高さみたいなのはひしひしと感じているところです。でもハードルが高いからこそ追い込めるところはすごく追い込めますし、自分により厳しくなった感じはしますね。昨年はそこが変わったなってすごく思います。今は好きがゆえに絶対失敗できない、みたいな感覚で、そこはこれからも曲げずに伸ばしていきたいところではあります。

――そうした自分に厳しく活動をしてきたなかで、この写真集は来栖さんにとってどんな作品になりましたか?

来栖:写真を撮られることが私はすごく好きなので、どっちかというとこの撮影がいい息抜きになりました。頭を空っぽにして、私が知られていない場所で好きに動けるというのは結構ノンストレスな時間だったな思います。普段はなんでもかんでもその大股で頑張りたがる節があるんですけど、そんなときにこのタイトルにあるように一歩一歩を、この写真集の私みたいに「リラックスしてやっていかなきゃだよ」と教えてくれる、この先の自分を助けてくれるような一冊になるんじゃないかなって思います。

来栖りん

取材・文=澄川龍一 撮影=金澤正平

ヘアメイク=田村直子(GiGGLE) スタイリスト=津野真吾(impiger)