「ことさらに胸やでんぶを強調」とは…? 施行まで1カ月あまり! 改正「児童ポルノ法」をもう一度おさらいしておこう
更新日:2015/6/26
“ことさら”に胸やでんぶを強調とは……
続いて、もうひとつの改正点。児童ポルノに摘要される範囲がより細かく規定されたこと。それは、画像の中身についても次のように具体的に規定されるようになったのだ。
殊更に児童の性的な部分(性器等若しくはその周辺部,臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているもの(第2条3項3号)
改正された児童ポルノの定義では、ことさらに、「お尻や胸を強調しているもの」と加えられているのは一体なぜなのか。
「今までは、前述のように“衣服の一部、もしくはすべてを身につけない、かつ性的興奮を呼び起こす表現物”というような、あまりにも幅広い定義をされていました。そのため、なにが“性的興奮”を起こすか判別が難しかったのです。そのため、より具体的に“でんぶ、胸部”という具体的な部位を入れたのでしょう」
今までは「裸同然」が基準であったが、今回は“部位を強調”も含まれている。ということは、いわゆる「ジュニアアイドル」の写真集やDVDも、児童ポルノ法の範疇に入るのだろうか。
「それは実際に運用されてみないとわからないですね。水浴びをしている児童をただ写しているだけであれば、問題ない。けれども性器に寄っている画像は適用されるかもしれません」
ジュニアイドルグッズを持っている、お兄ちゃんたち! 今一度コレクションに問題がないか確認して欲しい。
けれど、家族の成長記録など、性的興奮や刺激を与えないものは大丈夫だという。
この度の改正で、表現の自由を狭めるものではない、と法務省はいうものの、ジュニアアイドル界だけではなく、グラビア界全体にも大きな影響を及ぼしそうだ。
世界的に見れば規制がゆるいといわれていた日本の表現に一石を投じることにはなりそうだ。
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取材・文=武藤徉子